衰退産業で稼ぐ!「夢の魚」を編み出した男 愛媛産のシラスが全国で飛ぶように売れるワケ

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愛媛・佐田岬半島で獲れるシラス

海に囲まれた島国ニッポン。豊富な水産資源に恵まれながらも、日本の漁業は衰退の一途をたどっている。沿岸漁業関係者の平均年収は250万円前後といわれ、新たに漁業へ従事する若者は少なく、漁師は高齢化が進む。漁業人口はピーク時に100万人といわれたが、平成21年(2009年)には約22万人と4分の1以下にまで減少した(農林水産省調べ)。

そんな逆境の中でもビジネスモデルの視点を変えれば、しっかり稼ぐことは可能だ。12月6日(土)に放送されたTBSテレビジョブチューン〜日本の超一流漁師大集結SP〜」に出演した、愛媛県の漁師、福島大蔵さんはその一人である。

福島さんは、イワシの幼魚であるシラスの漁獲を主体とする朝日共販を経営。年間20億円以上を売り上げた実績を持つ。福島さんが漁師を始めた大学卒業後の当初と比べると、収益は約100倍近くまで育っている。

四国・愛媛の佐田岬半島は、北上するシラスの群れをせき止める地形になっており、日本有数のシラス漁場だ。凝縮されたうまみと見事な白さ。日本一きれいと名高いシラスが1年中獲れる。朝日共販は、1日に約2トンを水揚げする。

たくさん獲れるだけでは稼げない

ただ、シラスは大量に獲れる分、安値で取引される魚でもある。福島さんはこのシラスを儲かる「夢の魚」に変えている。獲って競りに出すだけでは稼ぐのではなく、加工、販売にも工夫を凝らすのだ。「6次産業化」とも呼ばれる視点である。

「魚は、鮮度が命」とよく耳にするが、シラスほど鮮度が重要な魚はない。シラスが成長したイワシは漢字で「鰯」と書くように、とても弱い魚だ。幼魚のシラスはさらに生命力が弱く、水揚げの時に網にあたるだけで死んでしまう。つまり、獲ったその瞬間から鮮度も味も落ち続ける。

そんな繊細なシラスで一流の製品を生み出すには、水揚げから加工までの時間が勝負となる。朝日共販は、漁港近くの加工場で釜揚げシラスを作る。水揚げから加工まで、わずか30分。このスピードこそが専属の漁師と漁団を持つ網元の朝日共販の強みだ。鮮度を重視するため、漁に出て水揚げし工場で加工する行程を1日に6 〜8回繰り返す。

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