「残念なリーダー」ができていない決定的なこと 「できるリーダー」は目標の掲げ方がこうも違う

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目標を掲げ方について意識できるようになったら、次はマイルストーンの決定です。

マイルストーンとは、本来は1マイルごとに置かれている標石のこと。ここからここまでで1マイル、次は1マイルと教えてくれる石のことです。1マイルごとだから、マイルストーン。これが転じて「中間目標」を指すようになりました。

目標は、ドライブで言えば目的地です。どこに向かうのか、その方向性を教えてくれます。

中間目標を決めることで、そのためにどの道を通って、いつまでにどこに行くのか、目的地に近づいているのか、遠ざかっているのかが、わかるようになります。

たとえば、「〇〇で日本一のチームになる」としたら、何を達成しないといけないのでしょうか。

3カ月後までには何をどう達成する? 6ヶ月後までには何をどう達成する? といったように未来の日付に目標となる石を置いていきます。

これは最初は難しく感じるかもしれませんが、会話の未来比率が増えてくると、具体的にマイルストーンの設定ができるようになるのです。

最初から決めなくていい

私自身の話ですが、2020年の1月に『タカ社長のチームD大学』というYouTubeチャンネルを立ち上げて、2023年6月現在、約3万5000人の登録者がいます。

YouTubeというのは、膨大なエネルギーと時間を投下する必要があります。

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企画を立て、パワーポイントで資料を作って撮影をし、編集してアップロードする。その作業を、本業の仕事と並行しておこなうのは過酷なものでした。

このとき、私の掲げていた共感目標は「組織で悩む人を1人でも減らす」という漠然としたもの。マイルストーンも何もないままスタートしたのですが、実際に取り組み始めると、いろいろなことが必要だとわかってきます。

視聴者のターゲットの選定や撮影技術、カメラの知識、編集技術、登録者を増やすマーケティング、チャンネルのブランディングなど、取り組めば取り組むほど奥深く様々なテーマに直面していきます。

そこで、具体的なマイルストーン目標が決まっていきます。

「これから100日間毎日配信をして登録者5000人アップを目指そう」とか、「編集を外注して動画制作にかかる時間を5分の1に圧縮しよう」といったマイルストーンが設定できるようになります。

ですので、最初からマイルストーンが設計できなくても問題ありません。

まずはざっくりとした共感目標を掲げ、BAF法で伝える。その後、具体的な未来像が見えてきたら、マイルストーン目標を決める。

このマイルストーンがあることによって、達成感や成長感、達成できなかったときのくやしさを味わえるようになります。

この喜怒哀楽のエネルギーが、チームを強くしていくのです。

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アルファポリスビジネス編集部

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