「残念なリーダー」ができていない決定的なこと 「できるリーダー」は目標の掲げ方がこうも違う

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②ミーティングで発表する

一番手軽なのは、自部門のミーティングで発表することでしょう。

しかし、ミーティングで発表する場合には、手軽にというよりはむしろ重々しく、重要なことだと伝わるようにプレゼンすることをおすすめします。

定例の部門ミーティングでもいいですし、「方針発表会」と大げさにうたってメンバーを集めても構いません。

「本日、私がどうしても達成したい目標を発表させてください」とメンバーに宣言してください。十分注目を集めたうえで、「私が達成したい目標はこれです」と言い、スクリーンに投写するか、紙に書いたものを貼りだすかして、視覚と聴覚の両方にうったえます。

そして目標を読みあげ、ビフォー、アフター、フューチャーを語ってください。できるだけ思いを込めて話せると、より伝わるはずです。

ほとんどのリーダーは、現在のことしか話していない

③会話の「未来比率」を上げる

目標が語れているかどうかは、部下との会話の「未来比率」に表れます。 
部下と会話するときに、その話題が「過去」の話なのか、「現在」の話なのか、「未来」の話なのかを分けて考えてみます。

ほとんどのリーダーは、現在のことしか話していません。私はこれを、リーダーの「今月思考」と呼んでいます。リーダーは月単位のノルマに振り回されることが多いからです。

・いま何をしないといけないか 
・次の仕事はこれをやって 
・いまの問題はなんだろう 

というように、いま現在のやるべきことや問題についての話に終始しています。会話だけではなく、頭の中も現在の問題で占められています。中には過去の思い出話に花を咲かせる上司もいるでしょう。部下が知らない昔のエピソードを語ることで、部下との関係性がより近いものになったりするかもしれません。

しかし、未来についてはどうでしょうか。 

・これから会社はどうなっていくのか 
・私たちの部署はどういう未来を目指すのか 
・どんな未来を実現したいと思っているか 

会話の未来比率とは、会話に占める未来の割合です。

いま、あなたと部下の会話の未来比率は何%ですか?

お恥ずかしながら、私がリーダーになりたての頃は、未来比率0%でした。未来を語らず、現在と過去だけを語り、部下に希望を持たせていなかったのです。

会話のたびに「これからどうなるのか」「どうしていきたいのか」、そうした未来比率を上げることで、目標に対して本気で向かおうとしている姿勢が伝わるようになります。

目標を伝える場は、日々の会話の中にもつくることができるのです。

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