新宿駅南口「路上ライブ"禁止でも聖地"」驚く現実 「過熱の先にあるのは…」衝撃の最新事情を解説

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なぜそうまでしてミュージシャンたちは、新宿南口で路上ライブを行うのか。取材を通して、主に以下の3点に注目した。

①人通りが多く、アピールするにはうってつけの場所である
演奏するのに、十分なスペースが確保できる
SNSを通して売れる(バズる)可能性が、ほかよりも圧倒的に高い

もちろんこれ以外にもさまざまな要因はあるが、今回はこの3つに絞って解説したい。

新宿南口にこだわる「3つの理由」

① 人通りが多く、アピールするにはうってつけの場所である

新宿駅の1日あたりの乗降客数は77.8万人(2017年度JR東日本発表)。接続する各鉄道会社を合わせれば約350万人というとんでもない数字になる。より多くの人々の目に触れるのは間違いない。

土日ともなれば路上ライブを囲む人々と通行人であふれかえる(写真:松原大輔)
② 演奏するのに、十分なスペースが確保できる

詳細は省くが、「新宿駅南口地区基盤整備事業」により道幅が広がったこと、バスタ新宿のオープンなどが関係している。

広がった歩道ではアンプやマイクスタンドといった機材、さらにはPRのためのスタンドなどを置くための十分な場所が確保できる。そして10人程度集まることも可能なスペースがある。

③ SNSを通して売れる(バズる)可能性が、ほかよりも高い

そして、何よりも大事なのは、その場所でのパフォーマンスから売れる可能性がほかの場所もより高いということだ。

人が多い、スペースが確保できるといったことでも新宿南口は群を抜いているが、さらなる理由が「売れる可能性」にある。

取材を通して数名のミュージシャンに話を聞いたが、みな新宿南口にチャンスを感じて訪れている。演奏していたある男性若手ミュージシャンはこう話してくれた。

今年上京してきて、路上はここ(新宿南口)が初めてです。ほかではやっていません。いまみたいに警察に注意されるリスクはありますが、ここには本当にチャンスがあるんです。そんなところほかにはないですよ」

路上ライブをはじめてまだ3カ月という彼。取材したその日は歌いはじめてわずか15分ほどで10人以上の人だかりができ、みんな熱心に動画を撮るなど楽しんでいた

30分ほどですぐに警察が来て、注意を受け撤収となったわけだが、それでも「この場所で路上ライブを続けたい」という。

彼の言う「チャンス」とは、いったい何なのか。曰く「SNSでバズりたい」というのである。

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