定年後「途方に暮れない人」が50代でしていること 日本の未定年はこれからどう準備すればいいか

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さらに、まだまだ知らない人も多いようですが、厚生労働省は能力開発、キャリアアップを支援するための「教育訓練給付制度」を設けています。厚生労働大臣の指定した教育訓練講座を受講した際の費用の一部が給付される制度です。

教育訓練講座のメニューの中に、自分がやりたいことがあるかどうかですが、検討の余地はあるでしょう。70歳まで働くための準備、ネクストキャリアを築くためのスキルアップ。そのために国の支援を使わない手はありません。

一歩踏み出した「未定年」の存在

途方に暮れがちな「未定年」世代ですが、定年後も働き続けるためのアクションを起こしている「未定年」は存在します。

藤本慎也さん(仮名・54歳)は「勉強型」未定年。藤本さんは、ある放送局の管理職ですが、50歳になった時、「今の仕事の延長では、人生100年時代を生き延びることはできない」と一念発起し、社会人大学院の修士課程に進みました。並行して、「次の博士課程に合格するには、英語が必要」と、TOEICの勉強を始めて、730点のスコアを獲得。エリートである現状に甘んじることなく、学び直しを実践しています。

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水森良江さん(仮名・54歳)は、「転職型」未定年。この年齢には珍しく、一社に骨を埋める発想を持たずにキャリアを重ねました。「Withネクスト」つまり、「次に行く会社で何が出来るか、意識しながら日々働く」ことで、見事54歳で正社員としての転職に成功。70歳まで働けるメドがついたそうです。

佐藤徹さん(仮名・57歳)は、「早期退職型」未定年。広告会社を55歳で早期退職し、現在はスタートアップ企業を支援する会社に転職、マルチコネクトプロデューサーとして活躍しています。佐藤さんは広告会社時代の「未定年」期に、「辞めたら連絡して」という人脈を、いつしか築いていました。

60歳・65歳の定年後を視野に入れて、動き出した「未定年」を3名紹介しました。50代の「未定年」は、いまの立場を失うこと、収入が下がる事実を恐れるばかりではいけない。輝く未来をめざした自分なりのアクションを起こすことが大切だと、3人は教えています。「未定年」の「未」は、未来の「未」。そして「未だやれる」の「未」。悩める40~50代へのエールを込めた言葉が「未定年」なのです。

三嶋(原)浩子 博報堂 関西支社CMプラナー、ディレクター、コピーライター、動画ディレクター

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みしま(はら)・ひろこ / Hiroko (Hara)Mishima

博報堂シニアビジネスフォース コンテンツ・ディレクター、キャリアコンサルタント(国家資格)。大阪市立大学大学院 都市経営研究科・都市行政コース修了。修士(都市経営)。2019年から非常勤講師として同志社女子大学 表象文化学部日本語日本文学科にて「コピーライティング」を担当。広告クリエイターと大学非常勤講師、シニア研究、地方創生の「四刀流」で活動中。人・街社会をよりよく育てる表現にこだわり抜く「社会派クリエイター」を自負する。

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