定年後「途方に暮れない人」が50代でしていること 日本の未定年はこれからどう準備すればいいか

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定年後の生活を意識し始めるものの、自分の将来を考える時は、自由な生活への期待と見えにくい未来への不安に心揺れています。まさに未成年のように不安定な心情で未来を探る世代である。それが「未定年」というネーミングの由来です。

2017年に博報堂シニアビジネスフォースが、調査・分析した50代男性「未定年」層(1950年代後半~1960年代生まれ)においても、定年後(60歳以降)の生活に対して「期待と不安が入り交じる、でも老後の準備は進めていない」という結果が多数を占めました。

1950年代後半~1960年代生まれといえば、親が定年後、さほど困ることなく国から手厚い保護を受けてきた子ども世代。親が困っていない姿を見てきたため、定年後に対する切迫感が薄いようです。日々の仕事や、子どもの教育、早ければ親の介護も始まる。だから、老後をイメージした準備まで手が回っていません。

50代は自らが「先駆者」となる立場に

しかし、もはや親世代と同じように老後を国の庇護の下、のんびり暮らすことはできなくなりました。2021年4月1日には高齢者雇用安定法の改正が施行され、70歳までの継続雇用制度が努力義務として加わりました。いよいよ70歳まで働く人生を作り上げなければならない時代がやってきた、と解釈できる法改正です。

そんな厳しい時代の潮目にもかかわらず、いまの「未定年」にはロールモデルが見当たらない。それどころか超高齢化社会において、いまの50代は自らが先駆者となって、後進にロールモデルを示す立場となりました。

では、「未定年」は厳しい潮目に立ちすくみ、途方に暮れるしかないのでしょうか。「未定年」の背中を押し、希望の光となる社会現象も生まれています。

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