定年後「途方に暮れない人」が50代でしていること 日本の未定年はこれからどう準備すればいいか
希望の光・その1は、副業解禁の流れ。今まで企業の多くは副業禁止を服務規程に定めていました。しかし、2018年1月、厚生労働省は「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を作成し、それまで記載していた「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」という規定を削除。
さらに、新たに「第67条 労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる」という副業を認める条文を加えました。働き方の多様化や人材の流動化を推し進めたい国の意図が見える動きです。さらに少子高齢化が進む日本の労働力不足の一助となる可能性もあるでしょう。
副業が認められれば、ネクストキャリアに向けた「準備としての副業」も可能になります。ゆるやかに始めて、60歳または65歳以降に本格的に取り組む。そんな働き方も計画・実践できるのです。
盛り上がる「学び直し」「リスキリング」
希望の光・その2は、「学び直し」や「リスキリング」に対する国や企業の支援が盛り上がりはじめたこと。2022年10月3日の第210臨時国会では、岸田文雄首相が所信表明演説において「個人のリスキリング(学び直し)の支援に5年で1兆円を投じる」と表明しました。
このリスキリングは、単純な学び直しとは若干異なり、年功序列的な職能給からジョブ型の職務給への移行にひもづく能力支援であり「企業間、産業間での労働移動の円滑化に向けた指針を2023年6月までに取りまとめる」という表明とセットになっていました。
労働移動がスムーズになる、ということは、個人が現在持っているスキルを別の成長領域で活用しやすくする、ということです。違う言い方をすると、ネクストキャリアの可能性が広がっていくということですが、そのためには学び直しが必要。その支援として投入される1兆円がどのような形で個人に降りてくるのかは、まだわかりません。しかし、気運として新しい働き方を国が支援しようとしていることは間違いないでしょう。
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