安価で快適「マレー鉄道」200キロの旅の楽しみ方 目的地は植民地時代の面影残る都市「イポー」

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日帰りであれば、帰りの電車の時間まで気ままな街歩きを。商店にまぎれて点在する小さな歴史博物館・美術館に立ち寄るのもよし、街角のあちこちにあるレトロムードな壁画アートを楽しむもよし。ノスタルジックなタッチのユーモラスな絵や、浮き上がって見えるトリックアートなどは撮影必須です。

浮き上がって見えるハートは正面から写真を撮るとさらに立体的に。植物に侵食されるうらぶれた建物と鮮やかな赤のコントラストが絵になる(写真:著者提供)

地質学に興味があれば中心地から東に4キロほどの場所にあるThe Geological Museum(地質学博物館)へ。小規模ながらさまざまな岩石の標本が充実し見ごたえ十分。地質学からこの地の歴史をたどれば、気分は植民地時代の英国人行政官か錫鉱山監督者か。

イポーは日帰りでも十分楽しめますが、天然温泉も湧くこの地には5つ星高級隠れ家リゾートホテルをはじめとした、さまざまな宿泊の選択肢もあるので、1泊してこの地を堪能するのもまた一興です。

マレーシア第3の都市ながら、その存在も魅力もあまり知られていないイポーは、知る人ぞ知る“時が止まった街”。旅先での鉄道旅行の高揚感は体験の価値あり。美しきレトロタウンを探索してみてはいかがでしょう。

新規就航のバティック・エアが人気

マレーシアまでは、成田空港からバティック・エア・マレーシア(旧マリンドエア)という格安フルサービス航空会社が、今年3月18日から直行便を就航開始しました。羽田空港、関西国際空港、新千歳空港からは格安航空会社(LCC)のエアアジアが就航しています。

航空券は日系エアラインでは10万円越えですが、外資系エアラインなら時期にもよりますが2~3万円台から。特に新規就航のバティック・エアは「乗り心地・サービスと価格のバランスが良い」として、ファンの多い航空会社です(※航空券価格情報は2023年4月上旬時点の筆者調べ)。

旅行前の準備として推奨したいのが、マレーシアでダウンロード必須の3種のアプリです。

まずは配車アプリのGrab。国内で普及しているタクシー代わりの安価な配車サービスで、マレーシア在住の日本人も使っています。

2つめはGoogle翻訳などの翻訳アプリ。英語を話さないマレーシア人もいますし、道路標識など公的なものは公用語のマレー語で書かれているので、何かのときにサッと使えるようにしておくとよいでしょう。

最後はWaze(ウェイズ)。イスラエル生まれのカーナビアプリで、Grabの運転手もほぼこれを使っているので、乗車の際に道が間違っていないか確認するために使うと安心です。

佐知 ゆりこ 教育移住ライター(在カナダ・海外書き人クラブ会員)

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さち ゆりこ / Yuriko Sachi

教育移住と小中学生の英語学習ついて情報を発信するフリーライター。「東洋経済オンライン」の他、アルク「English Journal Online」、朝日新聞出版「月刊ジュニアエラ」他で執筆。noteやTwitterでも情報を発信。3年間のマレーシア母子留学を経て現在はカナダ在住。世界100カ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員。

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