安価で快適「マレー鉄道」200キロの旅の楽しみ方 目的地は植民地時代の面影残る都市「イポー」

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このマレーシアの国営鉄道は、地元の人の日常の足である近距離輸送のKTMコミューターと、都市間輸送のKTMインターシティ、そして高速の都市間輸送のETSの3つの旅客サービスを提供しています。

クアラルンプールからイポーへの鉄道旅で利用するのはETSで、地元の人の帰省時期(マレーシア人のお正月にあたる時期など)でなければさほど混雑もせず、のんびりとした鉄道旅行が楽しめる穴場の楽しみ方です。

東南アジアの鉄道、と聞くと設備や乗り心地がどうなのかと思う人もいるかもしれませんが、車両は2010年代の製造でデザインも近代的、シートのクッション性もよく、空調も効いていて快適そのもの(冷房対策の上着は必携)。運行もほぼ時刻表通りです。

旅気分が高まる田園風景

首都クアラルンプールのターミナル駅であるKL(ケーエル)セントラル駅を出発し、車窓から繁華街のビル群が遠ざかっていくと、ほどなく緑の平野、畑、土色の川、パームヤシやゴムのプランテーション……とのんびりとした田舎風景が広がり、旅気分が高まります。

大都会クアラルンプールを出発すると、ビル群に見送られて列車は一路イポーへ。車窓は途端に田舎風景に変わる(写真:著者提供)

さて、車窓からの景色を一通り堪能した後に訪ねたいのは、C号車のビストロコーナー。昭和の新幹線0系のビュッフェ車を彷彿とさせる販売カウンターと、窓を向いて座れる小さなテーブル席があります。

C号車のビストロコーナー。簡易な設備だがカウンターでサンドイッチやレンジ食品、コーヒーなどの飲食物を提供。ちょっとした食堂車気分が味わえる(写真:Keretapi Tanah Melayu Berhad:マレーシア国営鉄道提供)
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