誰が乗る?タイに渡った元JR北「キハ183」ツアー 参加者はほぼ地元客、まるで「昭和の団体旅行」

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タイ人に人気の高いキハ183
ツアー参加者で賑わうフアランポーン駅。キハ183は大人気だ(筆者撮影)
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2022年12月下旬からタイの観光列車として第二の活躍を始めた元JR北海道のキハ183系車両は、タイ国鉄の周到なプロモーションが功を奏し、観光客に好評をもって迎え入れられている。中古、古臭いという前評判を覆し、成功裏に走り出したと言っても過言ではないだろう。

今年の2月下旬以降は運行頻度が大幅に増加し、3月、4月とほぼ毎週末の設定となっているが、それでも各回ほぼ満席でチケットが取りづらい状況が続いている。首都バンコクから約200km圏内の比較的近場での観光ツアーが組まれており、週替わりで異なる行先が用意されている。よって、行き先の中にはアユタヤなど、世界的な有名観光地も含まれているものの、ほとんどが外国人にとってはあまりメジャーではない、バンコク近郊の「ちょっとした街」である。

割高感のあるパッケージツアー

このキハ183系ツアーは、時刻表に載る一般列車としての運行ではないため、2022年11月8日付記事「タイに渡った元JR北海道「キハ183」再始動への道」でお伝えした通り、かなり強気の価格設定となっている。行先により異なるが、日帰りツアーの場合、概ね1500バーツ(約5970円)前後に設定されている。

この価格には往復乗車代金のほか、駅からの貸切バス、観光施設の入場料、食事代など諸々が含まれている。駅からの移動も全てパッケージになったツアーは外国人にとって心強いものだが、旅慣れた人にとってはこの価格は少々割高と言わざるを得ない。言語障壁のないタイ人観光客にとっては、なおさらこの価格設定には割高感を抱くだろう。一般列車を利用すれば、数十バーツで移動できてしまうのだから。

では、この列車にはどんな人たちが乗っているのか。そんな素朴な疑問も抱きながら、3月上旬、残席わずかのチケットを入手してキハ183ツアーに参加した。

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