台湾新幹線「新型車」日立・東芝連合受注の全内幕 難航した価格交渉、どう折り合いをつけた?

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台湾高鉄700T
台湾高速鉄路の700T。日本の新幹線700系をベースに開発された(記者撮影)
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台湾の高速鉄道に新しい日本製車両が導入される。台湾高速鉄路(高鉄)は3月15日、今後導入予定の新型車両について、同日に開かれた取締役会で日立製作所と東芝の連合体に発注することを決めたと発表した。

新型車両は12両で1編成の列車が12編成、計144両製造され、高鉄は1240億9100万円で購入する。新型車両はJR東海の東海道新幹線などで活躍する16両で1編成の「N700S」をベースに開発されるとみられる。JR東海で海外展開を推進する海外高速鉄道プロジェクトC&C(Consulting and Coordination)事業室は2014年から高鉄に対して技術コンサルティングを行っている。与謝野優C&C事業室長は「N700Sをベースとした車両がスムーズに導入されるように必要な技術支援をしっかりやっていく」と話す。

早ければ2027年に運転開始か

営業運転の開始時期について発表文では明らかにされていないが、高鉄は東洋経済の取材に対し、「新型車両は製造開始から42カ月後に台湾に到着する予定であり、その後必要な走行テストが行われ、製造開始してから50カ月後に営業運転に投入できる見込み」としている。もし2〜3カ月以内に製造開始できれば、2026年中に台湾に到着し、翌2027年に営業運転というスケジュールになりそうだ。

一方、日立製作所は、「高鉄の発表内容は承知しているが、当社から発表できることはない」とコメントした。現時点では高鉄と日立・東芝連合の間で正式に契約調印されたわけではないというのが理由だ。

新型車両導入計画のスタート、すなわち高鉄が各国の主要メーカーに意向の打診を始めたのは2017年6月のことだ。

高鉄は東海道・山陽新幹線などに使われている「700系」をベースに開発した「700T」を34編成保有している。700Tは2004年から2015年にかけて製造され、日立のほか、川崎重工業と日本車両製造も製造を担当した。

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