安価で快適「マレー鉄道」200キロの旅の楽しみ方 目的地は植民地時代の面影残る都市「イポー」

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イポーもやしも、“たかがもやし”とあなどるなかれ。さっと茹でてしょうゆダレで和えたちょっと太めのイポーもやしは、新鮮で歯ごたえシャキシャキ。石灰岩地質が生み出すミネラル豊富な地下水が、もやしに特有の豊かな風味を与えているといわれています。

陽気な店主がきりもりする店で伝統的庶民派グルメに舌鼓を打てば、祖国を後にしてこのイポーに渡りゼロから暮らしを創り上げてきたたくましきチャイニーズの歴史と文化を感じ、満腹感とともに活力も湧いてきます。

イポーグルメの筆頭イポーもやし。昔ながらの家庭料理の味。新鮮なシャキシャキの歯ごたえと薬味のきいたしょうゆダレに箸が止まらない(写真:著者提供)

もう1つ、イボーグルメといえば欠かせないのが、マレーシアの有名コーヒーチェーン、イポー発祥の「オールドタウン・ホワイトコーヒー 」。ホワイトコーヒーは錫鉱山で働く中国系移民のために生み出された、練乳入りの甘いコーヒーで、昔も今も、この常夏の国での暑さと疲れを癒してくれます。中国系の人は体を冷やすことを嫌うのでホットで飲むことが多いですが、歩き疲れた旅行者にはアイスがおすすめです。

時が止まった絶景の鍾乳洞寺院

次は、山の中の鍾乳洞に作られた中国寺院へ。いくつかある寺院のなか、1つ選ぶならアクセスと規模の点から「極楽洞(Kek Look Tong:ケロットン)」がいいでしょう。

繁華街から南東に5キロほど。電車やバスはないのでマレーシアで広く普及する配車サービスGrab(グラブ)で車を呼び、向かいます。

鍾乳洞寺院は内部がライトアップされ、荘厳な雰囲気。自然の神秘と美しさに古の人々が畏れを抱き、祈りを捧げた(写真:著者提供)

野趣あふれる鍾乳洞に黄金の仏像が鎮座する洞を抜けると、目の前に開けるのは静寂の庭園、禅庭園(Zen Garden)へ続きます。幼いころに読んだ絵本に出てくる極楽にも似た、時が止まったような場所。深緑の山々に向かって深呼吸をすればリラックス効果も抜群です。

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