このような代替食品のテクノロジーは、食糧難への解決策となるだろう。国連世界食糧計画(WFP)のデータによると、2021年時点で世界では8億2800万人が飢餓で苦しんでいるという。その理由は紛争、気候変動、経済ショック、農業肥料の高騰などだ。物理的に物資を届けられない、気候が変わって植物が育たない、食料を買うことができないなどが詳細な理由だ。
食べたものと別の味を感じるテクノロジーも
ほかにも世界人口の爆発的増加もあるだろう。国連の「World Population Prospects 2022」によると、世界の人口は80億人を突破したことが明らかになった。日本は人口が減少しているのでピンとこないかもしれないが、人口と食料のバランスが保たれなくなるのだ。本項で紹介したようなテクノロジーがうまく活用されれば、土地や気候に依存せず、低価格な食料を入手できる可能性が高くなる。
実は現在、実際に食べたものとは別の味を感じることができるテクノロジーも存在する。例えば、東京大学の鳴海拓志准教授は「Meta Cookie」というインターフェースを開発している。VRとチョコ味やイチゴ味などの香りを活用しながら、プレーン味のクッキーを食べても別の味のクッキーを食べている感覚になれるのだ。
また、明治大学の宮下芳明教授は、塩味を感じられる箸や甘味、酸味、塩味、苦味、うま味を感じられる装置を開発している。これらも食料問題を解決するのに、とても素晴らしいテクノロジーではないか。減塩や糖質制限など、健康面での課題にも役に立つだろう。
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