「バリアを張る」SF世界に憧れる人が驚く超現実 SF作品で描かれる「身を守る技術」は実在する

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防御に関するテクノロジーは急速に進化している(写真:しだれ桜/PIXTA)
着るだけで空を飛べる「ジェットスーツ」。危険から身を守ってくれる「バリア」、人に代わって働いてくれる「家事/育児ロボット」――。
私たちの日常にはまだ浸透していないが、SF小説や映画などで描かれてきたテクノロジーの多くが現実のものになりつつあることをご存じだろうか。元JAXAの工学博士で、宇宙ビジネスコンサルタントでもある齊田興哉さんが最新テクノロジーとビジネスの動向をまとめた『空想が実現する時代のビジネス地図』より、一部抜粋、再構成してお届けする。

数年前から実現しているバリアのテクノロジー

アニメ『宇宙戦艦ヤマト』などのSF作品では、ミサイルなどの攻撃を受けてもバリアで回避するシーンをよく目にする。子どもながらに、あのテクノロジーのすごさに漠然とした興味を持ったものだ。

実は、バリアのテクノロジーはすでに実在する。アメリカのBoeingが取得した特許が2015年3月23日にPopular Science というサイトで紹介された。その特許のタイトルは、〝method and system for shockwave attenuation via electromagnetic arc〟。日本語では、〝電磁アークによる衝撃波の減衰の方法とシステム〟とでも訳せるだろうか。

技術の詳細を説明しよう。車両にバリアを形成する技術だ。センサーで攻撃対象を検知し、爆発する場所と時間を検知する。そのセンサーからレーザーか電磁場、もしくはマイクロ波によって、水や空気を加熱し、爆発と車両の間にプラズマを形成するのだ。このプラズマがバリアとなる。2015年と少し昔に発表されたものだが、興味深いテクノロジーであることは間違いない。

ほかにも存在する。イスラエルのTrophyという技術だ。2006年7月時点でYouTubeでデモンストレーションの様子が紹介されている。先ほどのBoeingと原理は全く異なるのだが、詳細は次の通りだ。近づいてくる物体をレーダーで素早く検知し、その物体をミサイルのようなもので撃ち落とす、もしくは破壊するというものだ。

超短時間の迎撃ミサイルに近い。読者がイメージしているバリアとは異なるかもしれないが、「攻撃対象から身を守ることができる」という点では、バリアにカテゴライズしてもいいと判断した。イスラエルの軍事技術の高さがここでもうかがえる。

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