「奨学金280万円」31歳彼女の苦い20歳の誕生日 父の新しい妻から「授業料は払えない」と電話…

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両親の離婚、借金に自己破産……。過酷とも言える状況だったが、原田さんは前向きな性格の持ち主だったようで、幼い頃から大学に行くことを夢見ていたという。

「漁村だったため大学進学をしている人が周りに少なく、わたしの父ぐらいしか大学を出た人はいませんでした。

小中学生時代は特に勉強につまずいたこともなかったので、父の影響もあり何となく大学に行きたいな、と思っていましたが、高校生になると私自身も『この貧しい生活から脱出するためには大学進学して、ちゃんとした企業に就職するしかない!』と思うようになりました」

家庭内でアクシデントが発生したため、金銭面では相当な苦労を経験したが、進学校である地元の公立高校を経て、地元の国立大学に進学することができた。

「母からは『大学に行くのであれば、国公立にして!私立は無理よ!』といわれていました。そのため、九州地方の国立大学を目指すようになりましたが、本音を言うと東京に出たかったですよね。でも、それはあまりにもお金がかかる夢なので、あきらめざるを得ませんでした」

 お金をせびらないで!大人になったんだから大学を辞めて働け!

こうして、経済的な事情から、国立大学へと進んだ原田さん。しかし、またしても家族内で金銭的な問題が発生する。冒頭で紹介した、20歳の誕生日の出来事だ。

「もともと、大学の学費は父が払ってくれる約束だったんです。ちょうど、半期ごとの学費を振り込まないといけないタイミングでもあったのですが、父の新しい奥さんから電話がかかってきて『あなたのお父さんにはお金がないんだからお金をせびらないで! 大人になったんだから大学を辞めて働け!』と言い放たれたんです。さすがに、そのときは呆れましたよね(笑)」

宣言通り、それ以降は父から学費が振り込まれることはなかった……。ない袖は振れない原田さんは母親に相談。すると、毎月4万円の学費を出してもらえることになったが、母子家庭手当からの捻出である。

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