「ゴミをビジネスに変える」台湾の驚きの最新事情 廃棄物をテクノロジーで生まれ変わらせる人たち

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廃棄物をより強固な構造の資材へとアップサイクルすることで、既存のセメントなどの建築資材からリプレイスしているのだ。麻繊維とプラスチックから防火機能のある壁材を作り出したり、ファッションの世界で廃棄された繊維を家具やアート作品へ生まれ変わらせたりと、その領域は多岐にわたる。

麻繊維とプラスチックを再利用した、防火機能のある壁材(筆者撮影)
ファッションの世界で廃棄された繊維を家具やアート作品へとアップサイクル(提供:MINIWIZ 小智研發)

廃棄物管理をしていないところにこそアドバンテージが

実績を積んだ同社はシンガポール政府が所有する投資会社Temasek(テマセク)、中国のアリババグループなど、今や世界の最大手企業から投資を得るまでに成長した。現在は台湾、上海、シンガポールの3拠点で活動し、主に東南アジアや中東の各国政府から受注している。

「アブダビ、ドバイ、タイといった国々の政府と長期間における契約を結んでいます。政府側がその地域で出た廃棄物を提供し、私たちがそれを政府が望むものに変えるんです」

「Trash Kitchen」と呼ばれる「MINIWIZ 小智研發」の実験室は、一般客も外から見学可能。中高生・大学生、企業、一般客を対象にしたワークショップも開催されている(筆者撮影)

「世界各地の政府で導入されつつある『炭素税』は、これからますます高くなっていくでしょう。地域産業を守るためでもあるし、地球環境のためでもあります。そんな状況下で大切になるのは、その地域で発生する廃棄物を、その地域で価値あるものへとアップサイクルするためのテクノロジーです。

今、廃棄物管理をしていないところにこそアドバンテージがあります。

当社自身は地域ごとのそうした業者たちから廃棄物を購入し、アップサイクルで価値を生み出しています。建築は多くの材料を必要としますし、ビジネスとしてスケールするので、今はその事業が最も多くなっています」

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