「ゴミをビジネスに変える」台湾の驚きの最新事情 廃棄物をテクノロジーで生まれ変わらせる人たち
「MAC Ward」は抗菌作用のあるリサイクル素材を80%以上使用。化学的な結合材を使用せず、大気汚染を最小限に抑えた形で大気中で気体状となる有機化合物の発生を最小限に抑える形で製造されている。
ゴミを価値あるものに変えられたら、誰も捨てなくなる
アメリカのコーネル大学、ハーバード大学で建築を学んだ後、台湾に戻って2005年に「MINIWIZ 小智研發」を創業した黃氏は、構造工学の専門家でもある。
取り組んでいることを一言で表すと?と聞くと、即座に「Urban mining」と答えてくれた。
「都市の採掘。今、皆が価値がないと思って捨てているゴミを、テクノロジーによって価値あるものに変えるということです。
今、誰もが石油を価値あるものだと考えるのは、石油がガソリンにも、プラスチックにもなり得ることを知っているからですよね? もし捨てられているゴミを価値あるものに変えることができたら、もう誰もそれらを捨てようとはしなくなるでしょう」
同社の強みは多岐にわたる素材の応用ノウハウだ。
プラスチックや各種金属など、1200種類以上もの素材に関するリサイクル関連のデータベースを構築し、素材ごとの特性や、“より良いアップサイクル(廃棄予定であったものに手を加え、付加価値をつけて新しい製品へ生まれ変わらせること)をするためにはどのように他の素材と組み合わせるべきか”などの情報を保有・公開している。
たとえば、医療用マスクのように柔らかく破けやすい素材を、どのようにしたら構造的に強化できるか研究し、ショッピングモールなどの建築資材や医療グレードに対応した病室を作り出したりしている。また、空気や水を汚さず、カーボンの発生を極めて少量に抑えるコントロール技術も持ち合わせている。
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