寿命まで左右する!驚異の「腸内フローラ」 腹時計が乱れると、万病を引き起こす
こうしたことから、メラトニンの合成には腸の健康がとても大事であることがわかります。腸が元気であれば、腸内フローラが豊かに保たれ、ビタミン群の合成力が高まります。その状態のときに、肉や魚、卵などのタンパク質が入ってくると、メラトニンの分泌量を増やせるのです。
メラトニンの前段階であるセロトニンは、人間の精神面に大きな影響を与える神経伝達物質で、心のバランスを整える作用があります。脳内セロトニン量が減少すると、「うつ病」になると言われています。
セロトニンの分泌量が増えれば、メラトニン量も多くなり、睡眠のリズムが整います。反対にセロトニンの分泌量が減少すると不安感が高まり、不眠状態が強くなります。
病気を防ぐ「腸の時間割」
現代社会に生きる私たちは、高度に発達した文明により多くの恩恵を受けています。そのことが、人間に新たな難題を突き付けています。たとえば、医療の発展は、人の寿命を延ばしました。その一方で、死なないけれど治りにくい病気を抱える人が急増しています。その原因の一端に、体内時計の乱れがあると思います。
最近、『病気を防ぐ「腸」の時間割――老化は夜つくられる』(SB新書)という本を出版いたしました。肝臓や膵臓、脂肪組織細胞にまで「末梢時計」が存在していることが明らかにされた今、脳にある「親時計」と同調した生活をすることが、糖尿病や認知症をはじめとするいろいろな病気を予防し、若さを保ち、寿命を延ばすために必要であることを、ぜひ知っていただきたいと思います。
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