ペットを飼っている人なら想像がつくかもしれませんが、動物は目覚まし時計がなくても、日の出と共に、ほぼ毎日同じ時刻に目を覚まして活動を開始しますね。人にも本来“体内時計”は存在し、1997年には哺乳類の動物に「時計遺伝子」が存在するということもわかっているのです。
実は、これをもとにした「時間栄養学」の研究も進んでいます。毎度の食事で何をどれぐらい食べると健康にいいか、ということも大切ですが、「いつ」食べるか、ということも健康に大きく影響することがわかってきました。
体内時計で健康維持、その方法とは?
人を含め、ほとんどの哺乳類には、日の出と共に目覚め、暗くなってくると眠くなる、という体内時計が備わっています。この機能を果たすのが時計遺伝子です。これらが体内で正確に時間を刻むことが、人の知力、体力、精神力などあらゆる機能を最適化する手助けをしています。
しかし現代のビジネスパーソンは、残業や接待などで帰宅時間も遅くなりがちで、帰宅後もテレビやゲームに没頭したり、残った仕事をこなしたりで、就寝時間が遅くなる方も多いでしょう。加えて翌朝も早朝から出勤……こうなると、もう体内時計は狂いっぱなしです。
それに伴い、3度の食事時間も不規則になっていきます。基本的には脳の「視交叉上核(しこうさじょうかく)」という器官が体内時計を管理していますが、胃や腸、肝臓、腎臓、血管、皮膚などの組織にも、体内時計の細胞が備わっています。これらの体内時計は、朝の太陽の光によって目の網膜に受ける刺激でリセットされる、という特徴があります。
もう一つ重要なのが、食事です。食べ物が胃の中に入ってくると、各消化器官を通りながら、それらの体内時計をリセットしてくれることが、近年の研究でわかっています。中でも、朝食がいちばん有効とのこと。英語の「breakfast(ブレックファスト)」は、直訳すると「空腹を断ち切る」という意味でもあるように、前夜最後に食べた時間からその日の朝食まで、空腹時間を毎日一定に保てるかが、健康を維持するキーでもあるのです。
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