「炭水化物」は人類の敵なのか、味方なのか

「糖質制限ダイエット」巡り激突する2冊の本

糖質制限ダイエットは有効なのだろうか(写真:Graphs / Imasia)

炭水化物は是か非か、「糖質制限ダイエット」は是か非か。今、この問題をめぐって主張が真っ向対立する2冊の翻訳本が、書店の店頭に並んでいる。

「糖質制限ダイエット」派の主張

人類は何百万年も続いた旧石器時代の狩猟採集生活に適応するように進化してきた。農耕が始まったのはわずか1万年前のこと。原始人にならって穀物を食べることをやめて肉食中心の食事に変えれば、健康になる、というのが「糖質制限ダイエット」派の主張である。

糖質制限は、もともとは糖尿病を治療するための食事法で、炭水化物=糖の摂取を極力控えるというものだ。女性誌のダイエット特集では「糖質オフ」は、必ず出てくるほどのキーワードになっている。

その「糖質オフ」にお墨付きを与えているのが、ハーバード大学医学部のジョン・J・レイティ博士が書いた『GO WILD 野生の体を取り戻せ!』(NHK出版)だ。レイティ博士は、近代文明がもたらしたマイナス面に着目する。

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「進化のルールに照らせば、現代人のライフスタイルは、人間としての健康や幸福つながらない。文明が進み、パソコンのOSがどんなにアップデートされようにも、あなたの体は20万年前から変わらず〈人類1.0〉のままだ。わたしたちは、野性的に暮らすよう進化によって決定されている」

そして、「野生に戻れば現代人の不調は治る」と低炭水化物食や、原野を裸足で走ることをイメージしたトレイルランを推奨している。

書籍に付けられた帯も、次のようにあおっている。「文明に飼い馴らされた生き方は、もうお終いだ。科学が教えるトレイルラン、低炭水化物食、マインドフルネス」。

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