このメカニズム自体は確かだが、実際のところ、冷刺激に耐えることによる脂肪燃焼量は、適度に負荷のある運動をたった数分間するときとさほど変わらない、と同医師や専門家は指摘する。
つまり、決して「効率的なダイエット法」とまでは言えないのだ。
結局、健全なダイエットに直結するのは食事と運動習慣の見直しに尽きる。しかし、ではサウナ浴にまったくダイエット効果が期待できないかといえば、決してそんなことはない。
減量のカギを握るのは、脂肪の燃焼力、すなわちエネルギー消費量をアップさせることだ。
つまり、日頃から心身の健全な状態を保ち、少しずつでも基礎代謝を上げることができれば、日常生活での脂肪燃焼量も自然と上がってくれるはずなのだ。
そしてサウナが好作用を及ぼしてくれるのは、まさにその「健全なこころと身体づくり」の部分だ。
本場フィンランドでの「サウナの健康効果」の研究
誰もが幼少期(多くは1歳未満)からサウナ浴を日常的に嗜むサウナ大国フィンランドでは、医学や健康科学分野でも、「サウナ浴のもたらす健康効果に関する研究」が数多くなされてきた。
とりわけ2015年以降、東フィンランド大学のサウナ医学に特化した研究チームが、頻繁にサウナ浴を行う人たちのグループと、ほとんどサウナに入らない対照群の30年にわたる観察研究の結果を明らかにして世界を驚かせた。
端的に結果を言えば、日頃サウナに入る回数が多い人ほど、心臓病など心血管疾患による死亡リスクが大幅に低下することがわかったのだ。
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