動かない社員が動き出す!トヨタ「紙1枚」の魔法 主体的に働けるようになるための3ステップ
これらがいい意味で、考えたり伝えたりする際の縛り=「制約」として機能することで、あれもこれも資料に盛り込むことができなくなってしまいます。その結果、資料作成の過程で、半ば強制的に「考え抜く」習慣を身につけることができるのです。
また、端的な文章にまとめなければ枠内にも1枚にも収められないため、要約力や言語化能力、抽象と具体を自由自在に行き来できるような思考力なども、自然と磨かれていきます。
報告・連絡・相談・プレゼン等のコミュニケーションにも役立つ
加えて、そうやって繰り返し思考整理をしたうえで報告・連絡・相談・プレゼン等のコミュニケーションに臨むことになるため、短時間でわかりやすく相手に説明する力や、何を聞かれても的確に返答できるような応答力といったものまで身についてしまいます。
このように、トヨタの「紙1枚」文化を通じて、私はすべての業務のベースとなるような仕事力を、序章で紹介したカッツモデルの表現で言い換えれば「テクニカルスキル」を、一括して修得できる体験をしました。
「『紙1枚』にまとめるというシンプルな動作だけでここまで自らを変化・成長させることができるのか!」と驚愕した結果、気づけばこの文化をトコトン究めるべく、仕事をしながら独自に研究を重ねていきました。その結晶が、先ほど書いた「1枚」「枠=フレーム」「テーマ」という3要素であり、この3つを組み合わせてフレームワーク化したものが、先ほどの図表3の枠組みとなります。
「1枚」と「フレーム」は、見てのとおりです。日付を記した左上の枠内に緑のペンで書かれている文字が、もう1つの要素である「テーマ」に該当します。本書ではこの後もさまざまな「1枚」フレームワークが登場しますが、すべてこの3要素を満たして構築していますので、出てくるたびに確認するようにしてください。
それでは、実際に記入していきましょう。次の3ステップでOKです。
まずは、左半分を埋めていきます。
自社の理念やビジョン、方針等を確認し、そこからキーワード抜き出して記入していってください。その際、できれば青ペンでの書き出しを推奨していますが、なければ黒でも構いません。
フレームは5つ分ありますので、キーワードが多そうな場合は、理念だけ、ビジョンだけというように抜き出す対象を絞り込んでください。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら