日本人感覚ではややぬるいと感じる80度前後でも、ロウリュを繰り返し行えば、どんどん体感温度は上がる。
しかも、長居しても息苦しさや肌のヒリつきをいっさい感じずに、じんわりゆったりと、身体を芯から温めることができるのだ。
さらには、水の打ち方(スピード、量、場所)を自在に変えてロウリュの質をコントロールしたり、よりよいロウリュを求めて、ストーブの熱源にこだわる人もいる。
風呂の湯質と同様に、クイックな電気ストーブより、薪焚きでじっくり熱した石のほうが、不思議とより湿潤で心地よい蒸気が出るものなのだ。
サウナを「マインドフルネス」の実践の場に
現代人が関心を寄せる「マインドフルネス」。
つねに複雑な人間関係やデジタル機器に囲まれ、脳への刺激や情報量が過剰になった昨今、人は本能的に、カウンターバランスとして「心を落ち着かせ、今この瞬間に集中する」時間や精神状態を欲しているのだろう。
新刊『「最新医学エビデンス」と「最高の入浴法」がいっきにわかる!究極の「サウナフルネス」世界最高の教科書』の著者カリタ・ハルユ氏(サウナ・フロム・フィンランド協会会長)は、
だと指摘する。
確かに、サウナではまず否応なしに「デジタル・デトックス状態」になる。
私たちは、もはや就寝時ですら傍らにスマホがないと不安にかられる。パソコンや携帯電話を手放し、「真のオフラインモード」になれる時間が皆無な人も、いまや少なくないだろう。
だからこそ、サウナ浴の時間は、「デジタル機器」はもちろん、徹底的に「外部情報(時計さえも)」を排除して、「身体感覚」を研ぎ澄ませることに集中できる、絶好のチャンスなのだ。
ハルユ氏は、とくに五感すべてを意識的に活用したサウナ体験を「サウナフルネス」と呼んで、推奨している。
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