「親と同じ道を歩むべき?」進路に悩む彼女の苦悩 いろいろと経験し選択肢を増やすことが大切だ

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実際にKMさんも親御さんの仕事から、医者になりたい、という考えに至っています。

ではなぜ悩むのでしょうか。

それは前述の通り、社会での経験がなく情報不足の中で、限られた選択肢のなかからなんとなく選んでいるからだと思います。なんとなく選んでいるからリアル感がなく、確信を持てない、ということなのではないでしょうか。

つまり本当に医者という仕事が自分にとってのリアルな選択肢なのかがわからない、という状態なのではないでしょうか。

ただし、これは何もKMさんに限った話ではなく、むしろその年齢では普通のことです。そしてそのことが将来の選択肢や、進むべき道に影響を及ぼすかというとそんなことはありません。

もちろんなるべく早い時期にやりたいことを見つけ、その道に特化する、という考え方もあるのだとは思います。

数多くの選択肢を切り捨てる場合も

しかしながら、別の見方をすれば、「数多くあるであろう、別の選択肢を切り捨てる」、または「ほかの選択肢をリアルに検討しない」、という行為でもありますから、後々キャリア選択を誤ったと後悔する可能性も高いわけです。

むしろギリギリまでいろいろな経験をして、悩みに悩んだ末に選んだ選択肢のほうが、長きにわたって満足度が高く継続できる可能性もあるわけです。

もちろん社会に出てからも悩むようでは心もとないですが、学生のうちは大いに悩むべきです。

悩めば悩むほど、「選択肢や審美眼が洗練」されてきますから、その後の人生はより豊かなものになります。

高校生や大学生というのは、学校というコミュニティーや、家庭、といったほぼ限られていた人間関係の中で、生活、知識の幅を増やす時期とも言えます。

言い換えますと、その時期にどれだけいろいろな経験を積めたか、どれだけさまざまな物事を経験し、リアルに悩み考え、そしてその結果としてリアルな人生経験を重ねたかが、その後の人生を左右することになります。

いずれにせよ、現在の選択肢である医者という道にKMさんが確信を持てないのは、経験や情報、知識が不足している中での選択だから、ということになります。

それで確信が持てないのは普通です。

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