非正規31歳男性が憤る「大学図書館の働かせ方」 民間への業務委託が進むことによる「悪影響」

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大学図書館の非正規雇用のスタッフとして働いてきたカツヒサさん。勤続5年の間、時給はいつも最低賃金水準だったという(写真:カツヒサさん提供)
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現代の日本は、非正規雇用の拡大により、所得格差が急速に広がっている。そこにあるのは、いったん貧困のワナに陥ると抜け出すことが困難な「貧困強制社会」である。本連載では「ボクらの貧困」、つまり男性の貧困の個別ケースにフォーカスしてリポートしていく。

説明なしに労働時間を変更された

「図書館の開館日程の変更について」。関西地方にある大学図書館で働くカツヒサさん(仮名、31歳)の元に職場からこんなメールが届いたのは昨年4月のこと。土曜日の開館時間を延長するほか、それまで休館日だった日曜日を新たに開館するという内容だった。

つい先日、開館スケジュールは当面は従来どおりという知らせがあったばかり。にもかかわらず変更理由の説明もない。人員を補充するという話もない。行き当たりばったりの方針転換に職場からは戸惑いの声が上がった。スタッフの中には図書館勤務の収入だけでは自活できずダブルワークをしたり、子育て中だったりと、すぐに週末の予定をやりくりすることは難しい人もいたからだ。

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