しかし、妻はそんな夫の気持ちをよそに、のんびりとバラエティー番組を見て大笑いしています。イライラした夫は、つい妻にあたってしまいます。
「おい、いつまでくだらないテレビを見ているんだ!」
出し抜けに怒られた妻も感情的に反応し、夫婦ゲンカに発展してしまいました。
この場合、悪いのはやはり夫です。自分が不愉快な思いをしたときには、その様子を察して、やさしい言葉をかけるのが妻の役割だ。夫はそう考え、妻の対応を期待していました。夫は一方的に甘えていたのです。
「わかってほしい」と甘えるのをやめる
人と人との間には厳然とした壁のようなものがあります。
親子や兄弟姉妹、仲のよい夫婦であっても、双方の気持ちを100%理解し合うことはありえません。どんなに親しい関係でも、考え方は人それぞれです。
にもかかわらず、「察してほしい」と甘えてしまうのは、自分が普段から周囲の人の思惑を気にして生きているからです。
「自分は相手の思いをいつも気にしているのに、相手が自分の思いに気づいてくれないのはなぜなんだ?」と、不機嫌になってしまうのです。
しかし、そもそも人の感情は、言葉に出さない限り理解されないのです。感情を素直に伝えない人を理解しろというのは無理な話です。
だから、相手に察してもらうことを最初から期待すべきではありません。相手の心を理解できなくて当然、相手も自分を理解できなくて当然。そう割り切って、わかってほしいと甘えるのをやめれば、気持ちが楽になります。
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