あまちゃん10周年「赤字の三陸鉄道」に吹く追い風 再放送スタート「ブーム再来」の起爆剤となるか

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「あまちゃん」放送10周年車両はブーム再来の起爆剤となるか(筆者撮影)
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2013年にNHKで放送され、一躍ブームとなった「あまちゃん」。放送から10周年の今年、4月3日からNHKBS4KとBSプレミアムで再放送が始まり、ツイッターで連日トレンド入りするなど、SNSでは「あまちゃん」ブームが再燃している。ドラマに登場する「北三陸鉄道」のモデルとなった三陸鉄道は、東日本大震災後も加速する人口減少やコロナ禍で厳しい経営を迫られる中、再放送というチャンスを起死回生つなげようと意気込む。

震災復興、朝ドラで注目浴びたローカル線

震災から丸2年たった2013年春。軽快なメロディとともに朝の食卓を明るくしたのがNHK朝の連続テレビ小説「あまちゃん」。

宮藤官九郎が脚本を手がけたこの作品は岩手県にある架空のまち「北三陸」を舞台に、東京でひきこもりがちな高校生活を送っていた主人公アキ(能年玲奈、現在はのん)が北三陸の人たちとの交流を通して成長し、海女になる夢を実現、アイドルとして地域を盛り上げる姿を描いた。

撮影が行われた久慈市の方言「じぇじぇじぇ」や「あまロス」が流行語になったり、アキの祖母・夏(宮本信子)のなりわいである海女や生うに、うに弁当が注目されるなど、近年の朝ドラではまれにみる大きなブームを生み出した。

このブームで脚光を浴びたのが、ローカル線「北三陸鉄道リアス線」のモデルとなった三陸鉄道。放送初回、「1984」という字幕とともに映し出された北三陸鉄道(北鉄)の開通式のシーンを記憶している人も少なくないだろう。岩手県沿岸部を走る三陸鉄道が撮影に全面協力し、ドラマ内では、駅長の大吉(杉本哲太)とともにトリコロールカラーの車両が頻繁に映された。

ドラマで描かれたのは2008年からの5年間で、2011年3月11日の場面ではアキの親友ユイ(橋本愛)が北鉄に乗車中、トンネル内で大地震に見舞われ、夏たちの暮らす北三陸の沿岸部も津波の被害を受けた。また最終回では鉄道とトンネルが印象的に映し出された。

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