知られざる巨大鉄道王国・岩手ご当地鉄道事情 面積は全国で2番目、縦横に旅情あふれる路線

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観光列車「TOHOKU EMOTION」
三陸海岸の最北路線・八戸線は青森県の八戸と岩手県の久慈を結ぶ。観光列車「TOHOKU EMOTION」も走る(撮影:鼠入昌史)
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全国47都道府県のなかでいちばんでっかい(つまり面積が広い)のは、北海道である。まあ、これはもったいつけて言うほどのことではなく、富士山が日本一高い山ですよ、と同じ程度の常識だ。

ならば、2番目にでっかい都道府県はどこなのか。これもまあ、有名な問いかけの1つではあるが、答えは岩手県だ(ちなみに2番目に高い山は南アルプスの北岳です)。岩手県の面積は1万5275㎢。北海道が8万㎢を超えているから差は大きいのだが、それでも立派な銀メダルである。

いかにも日本らしい風景

さて、その岩手県だが、広い県内のほとんどが北上高地や奥羽山脈といった山ばかり。中央の北上盆地に県内人口の7割以上が暮らしているという。西に向けては奥羽山脈を隔てて秋田県、東へは北上高地を隔てて三陸海岸へ。簡単に言えば、広い岩手はとにかく山だらけという、いかにも日本らしい県なのだ。

となれば、必要なのは交通機関である。人口希薄地帯が多いとはいっても、人が暮らして産業がある町はあちらこちらに点在している。それらをいかにして結ぶのか。広いから、と理由付けしてしまうと身もふたもない気がするが、岩手県は案外に鉄道が充実している。山と海を見ながら走る岩手の鉄道の旅をしてみることにしよう。

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