大阪モノレール「延伸」で変わる関西の鉄道勢力図 大型商業施設も誕生、2029年に計10路線と接続
高速道路を中央に挟み、大阪の中心部を大きく取り囲む府道2号大阪中央環状線。大阪人からは独特のアクセントで「中環(ちゅうかん)」と呼ばれる。その上空を走る大阪モノレールの路線を延伸する工事が2029年の開業を目指して動き出している。現地はいま、どのような状況なのだろうか。
門真市駅から南へ延伸
大阪モノレールは大阪空港から千里中央を経て、門真市までの本線(21.2km)と、万博記念公園から北へ分かれ彩都西までの彩都線(6.8km)を運行する。両線を合わせた距離は28kmでモノレールとして日本一の長さだ。かつて世界最長の営業距離としてギネス記録に認定されたこともある。現在、世界一は中国・重慶に譲ったが、日本一の座は変わらない。
計画では東側の終点、門真市から中環に沿って南へ約8.9km延伸する。開業は2029年の予定。松生町(まつおちょう)、門真南、鴻池新田(こうのいけしんでん)、荒本、瓜生堂(うりゅうどう)の5駅を設ける(駅名はすべて仮称)。延伸する区間の計画上の所要時間は17分。瓜生堂から大阪空港までは55分を見込む。
大阪モノレールは1990年6月1日に千里中央―南茨木間で営業運転を開始して以来、5回にわたって少しずつ路線を延ばしてきた。1994年9月に柴原(現・柴原阪大前)―千里中央間、1997年4月に西端となる大阪空港、同年8月には東側の南茨木―門真市間も営業を開始し、現在の本線の形となった。万博記念公園駅から延びる彩都線は1998年10月に阪大病院前まで、2007年3月に終点の彩都西までが開業した。
2020年には開業30周年を記念し、社名を大阪高速鉄道から大阪モノレールに変更している。
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