京王、JR東日本と新宿駅前「大規模再開発」の狙い 甲州街道を挟み南側には高さ225mの超高層ビル
東京都心と多摩地域を結ぶ京王電鉄の電車は、新宿駅の地下2階部分のホームに発着する。最近は京王八王子・橋本との間で運行する座席指定列車「京王ライナー」が渋谷方面との乗換駅の明大前に停車するようになり、通勤以外での利用も堅調に推移しているようだ。
駅上の京王百貨店新宿店は東京五輪開催の1964年、京王線併用軌道の地下化などに伴う再開発で誕生した。金属的な輝きを放つカーテンウォールの外観で、北隣の小田急百貨店と合わせて巨大な城壁のような印象だ。シニア層に強いイメージの京王百貨店だが、全国各地の有名駅弁が集う毎年恒例の「駅弁大会」は2022年に第57回を迎えた歴史ある一大イベントとなっている。
駅西南エリアの再開発計画
同百貨店はJR東日本グループが運営するルミネ新宿ルミネ1と隣接しており、その南側、甲州街道(国道20号)は高速バスのデパートのようにさまざまな地方のバスが行き交うのを見ることができる。西新宿一丁目交差点の地下には都営地下鉄新宿線と直通する京王新線の新宿駅があり、笹塚駅との間で複々線の役割を担っている。
この甲州街道を挟むエリアにも再開発の波が押し寄せる。2022年4月に京王電鉄とJR東日本が公表した「新宿駅西南口地区」開発の計画概要によると、現在、京王百貨店とルミネ新宿ルミネ1が並んで建つ「北街区」に地上19階、高さ110mの商業ビルを建設。一方、甲州街道を渡った「南街区」には地上37階、高さ225mの超高層ビルの建設を予定する。
南街区は、新宿南口交通ターミナル(バスタ新宿)の西、JR東日本本社の北に位置する。現在建っている複数のビルにはバスタと同様に「新宿」の名が付くが、住所は一部を除いて「渋谷区」。甲州街道を渡る場合は横断歩道のほか、小田急百貨店と京王百貨店の間のモザイク通りに抜けられる「ミロードデッキ」が利用されている。
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