京王、JR東日本と新宿駅前「大規模再開発」の狙い 甲州街道を挟み南側には高さ225mの超高層ビル

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新宿駅と駅周辺はこの数年をみてもすでに大きく変化している。2016年、甲州街道の南側のJR線上空にバスタ新宿、隣接して「JR新宿ミライナタワー」(高さ約170m)が開業した。2020年には駅構内で幅約25mの東西自由通路が運用開始し、歩行者の回遊性向上が図られた。

西側から見た外観イメージ(画像:京王電鉄)

東口の日本最大の歓楽街、歌舞伎町では2015年、新宿東宝会館と新宿コマ劇場の跡地に高さ約130mの「新宿東宝ビル」が完成。都内最大級のシネマコンプレックス「TOHOシネマズ新宿」や客室数970室の「ホテルグレイスリー新宿」が入り、巨大なゴジラのモニュメントがビル8階のテラスから見下ろしている。正面の通りは「ゴジラロード」と名付けられ、とくに新型コロナウイルスの感染拡大前は大勢の外国人観光客でにぎわっていた。

新宿東宝ビルの西側、西武新宿駅・新宿プリンスホテルとの間には、東急グループが開発を進める「東急歌舞伎町タワー」が新たなランドマークとして姿を現した。地上48階、高さ約225mで2023年4月のオープン予定。こちらも低中層階はエンターテインメント施設で、ライブホールや劇場・映画館が占め、上層階は2つのホテルとレストラン・バーが入ることになっている。

駅周辺は超高層ビルだらけに?

東京都庁などの新宿副都心の超高層ビル群を望む西口も一変。駅前のシンボル的存在だった明治安田生命新宿ビルは解体されてすでにない。同ビルに隠れていたヨドバシカメラ新宿西口本店や新宿郵便局といった建物が本来の姿をさらされて、少し恥ずかしそうな印象を受ける。跡地では2025年11月の完成を目指し、高さ約126mの新たなオフィスビルの工事が始まった。

西南口地区に隣接する「西口地区」の再開発では、小田急百貨店が2022年9月末で新宿店本館の営業を終えることが決まっている。建築家の坂倉準三氏による、西口広場と一体となったデザインの建物は解体される。新宿店は「新宿西口ハルク」で営業を継続。一方、跡地は小田急電鉄と東京メトロに東急不動産が加わって地上48階、高さ約260mの超高層ビルの建設を計画する。完成は2029年度の予定だ。

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同年度には、少し離れた新宿パークタワーと東京オペラシティの間の「西新宿三丁目西地区再開発」で、両ビルと高さがほぼ並ぶ約235mのタワーマンション2棟が完成する計画もある。

西口エリアには、バスタ新宿開業まで高速バスターミナルがあり、学生時代の帰省や旅行などで利用した人々にとっては思い出の場所でもある。いまもヨドバシカメラの店舗や手軽な飲食店が並び、近くのオフィスで働く人たちのランチタイムや仕事帰りの憩いのエリアになっている。林立する超高層ビルが大都会ぶりを象徴する一方、その足元に広がる街の居心地のよさが新宿に人を引きつけていることも忘れないでほしい。

橋村 季真 東洋経済 記者

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はしむら きしん / Kishin Hashimura

三重県生まれ。大阪大学文学部卒。経済紙のデジタル部門の記者として、霞が関や永田町から政治・経済ニュースを速報。2018年8月から現職。現地取材にこだわり、全国の交通事業者の取り組みを紹介することに力を入れている。

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