京王、JR東日本と新宿駅前「大規模再開発」の狙い 甲州街道を挟み南側には高さ225mの超高層ビル

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計画ではミロードデッキの西側に「国道デッキ」を設けて両街区の行き来をスムーズにする。京王電鉄は現在、甲州街道沿いに複数のビルを所有している。先行する南街区の工期は2023年度から2028年度まで。オフィスやホテル、商業施設が入り、34階には展望広場「新宿テラス」を設ける。南街区の完成後、2040年代にかけて北街区と国道デッキの整備をしていく予定だ。「ターミナルシャフト」や「スカイコリドー」と呼ぶ縦横の動線も確保する。

鉄道関連では、西南口地下駅広場を整備して京王新線・都営新宿線の改札を新設。「南街区の竣工予定である2028年度をメドに計画している」(京王電鉄)という。北街区の「ルミネ口」の拡張時期については現時点で未定だ。京王線は将来的にホームを延伸して丸ノ内線などとの乗り換え動線を改善する。

両街区に入るホテルの運営主体については「現時点で決定したものはない」(同社)。「当社は京王プラザホテル等、複数のホテルブランドを有しており、それらも選択肢に入れながら今後具体的な検討を行っていく」との方針だ。

「新宿エリアは最重要拠点」

京王電鉄は新宿駅について「当社の中で最も多くのお客さまに利用していただいているだけでなく、新宿エリアでは京王百貨店、京王プラザホテルなどの京王グループの事業基盤が集積しており、当社にとっての最重要拠点であると考えている」と位置付ける。

一方で「各鉄道会社が順次駅を開業してきたことから乗り換えなどの利便性に課題があることに加え、駅からまち・まちとまちの移動がしにくくなっている。また渋谷・品川など、都内各所では大型開発が進められ、新宿エリアは相対的な競争力が低下していると認識している」という。

そのうえで「ほかの事業者とも協力しながら、本計画を推進することで、駅とまち・まちとまちを重層的に移動できる歩行者ネットワークの構築等を行い、新宿エリア全体の活性化に寄与するとともに、当社がこれまで新宿エリアで培ってきた、信頼やブランド力といった総力を結集し、京王グループの次の100年へとつなげていきたい」と強調する。

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