中国のお金持ち旅行者が感じる「日本の残念な点」 富裕層はLCCを使わないという大いなる勘違い
先進国の中で一番厳しいと言われる日本の水際対策が大幅緩和され、「外国人観光客がやっと戻ってきた!」と街中で、感心されるようになってきた。お花見シーズンもゴールデンウイークも、東京や京都などのゴールデンルートだけではなく、岡山・愛媛・長野なども外国人観光客で賑わっていた。
3月の訪日外国人旅行者数(推計値)は約182万人と、コロナ前の約6割になっている。しかし、かつて数や消費額を牽引してきた中国人観光客は、観光ビザ発給がまだ完全に再開していないため、本格的なインバウンド回復はこれからだといえる。
今後のインバウンド戦略について、日本政府観光局(JNTO)は高付加価値旅行者(訪日旅行1回当たりの総消費額が1人100万円以上の旅行者)を促進しようとしており、モノだけではなく、コトへの関心も高い「富裕層」にもっと来てほしいと、各種施策に取り組んでいる。
富裕層から見てガッカリポイントが多い
しかし、現状において、こうした高付加価値旅行者から見ると、日本には「あれ?!」と思うポイントが非常に多い。今回、今後のインバウンドの本格的な回復に向けて、日本人が実は勘違いしている典型的事例を紹介し、今後の取り組みのヒントを提示したい。
筆者は20~30代の中国人における消費の深層心理分析に注力している。今まで世帯年収1000万円〜10億円の中高収入・富裕層100人以上に対するインタビュー調査・行動観察調査を行い、彼らの行動をつねに把握している。
その中でも、世帯収入でも日本での消費額でもトップに入るのがAさんである。一族が不動産開発で築いた莫大な資産を引き継ぎながら自営業を営む。ファッションセンスが高くネットではちょっとしたインフルエンサーでもある。彼女が28歳の頃から知り合いで、35歳を超えたいまでも、同世代の中国人女性をリードし続ける存在だ。
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