就職氷河期に感じた「高学歴女性」という壁
今回取材したのは「えとみほ」の愛称で知られる江藤美帆さん。サッカークラブである南葛SCマーケティング部長のほか、株式会社マイナビ、株式会社カワチ薬品、株式会社リミックスポイントで社外取締役を務める江藤さんは、これまでに2度、働くことができなくなった経験があるという。
「若い頃は詳細に人生設計をしていたが、失敗や病気により考え方が変わった」と江藤さんは語る。
江藤さんは高校卒業後、アメリカの大学に進学。そのまま海外で働きたいと思っていたが、ビザが延長できずに帰国を余儀なくされた。
おりしも日本は就職氷河期まっただなか。しかも江藤さんが「高学歴の女性」であることが、就職の壁をさらに高くしていた。
「今では珍しくもありませんが、当時は大卒の女性っていうだけでも就職が難しい時期。しかもアメリカの大学に通っていた私は、卒業時期のこともあって、書類審査すらしてもらえなくて。やっとたどり着いた面接でも、年齢のことを言われたり結婚の予定を聞かれたりして、人生で初めて性別の壁を感じました」
就職活動を通して「自分が社会で活躍して生きていけるイメージがなくなった」江藤さんだったが、出版社からすすめられたことがきっかけで、フリーランスとして「テクニカルライター」という仕事をはじめる。アメリカ滞在中に、ITに関する本を翻訳する仕事をした経験が活きたのだ。
「どこも採用してくれないので、仕方なく」選んだ選択だったが、ちょうどインターネット業界の黎明期とかさなり、IT系の書籍の出版部数もぐんぐん伸びていった。江藤さんにはひっきりなしに仕事の依頼が舞い込んでくるようになった。
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