例えば、これからの季節は気温が高くなるため、べとつかないローションタイプや乳液タイプを使うのがお勧め。一方、寒い時期は油分が多いクリームや軟こうタイプがお勧めだという。実は乾燥皮膚でもっとも重要なことは、保湿剤の選び方よりもむしろ塗る量や塗り方だ。「いくら優れた保湿剤でも、必要量をしっかり塗らなければ効果がありません」と菊地さん。
まず塗る量だが、クリームなら人さし指の第1関節分の長さの量を手のひら2枚分に広げるくらい。もちろん、製品によって容器の形状やチューブの口径は異なるので、あくまで目安にしてほしい。液体なら、10円玉くらいの量を手のひら2枚分にしている。菊地さんによると、「塗った皮膚がテカテカするくらい」「しっとりするくらい」に塗るイメージだ。
塗り方については、「ゴシゴシと擦り込むのではなく、かといって、ただ患部にのせておくのでもない。皮膚の凹凸に入り込むように、まんべんなくなじませるのがよい」とのこと。
回数は1日1~2回で、そのうち1回は入浴後がよいとされている。これは、入浴で水分を含んで軟らかくなった皮膚だと保湿剤のなじみがよく、水分をより多く閉じ込める役割を期待するためだ。服を着る前に塗ってしまおうという意味もある。
ただ、「入浴後に塗るつもりでいて、結局、塗り忘れるということもあります。それよりは、気が付いたときに塗るほうがいいでしょう。保湿剤自体が水を含む、あるいは皮膚を覆うことで、皮膚に水分を補給、保持することができます」。菊地さんは、頑張りすぎないことが、ケアを続けるコツだとアドバイスする。
どうする? 汗、化粧、かきグセ
保湿剤以外にも、乾燥皮膚のケアに大切なポイントがある。例えば、汗。
「含まれる乳酸や尿素にも天然保湿因子としての働きがあります。その半面、大量にかいた汗が刺激となるのは確かなので、軽く拭きましょう」と菊地さんはいう。
ほかに、主な生活上の注意として次のようなことが挙げられるそうだ。
悪化因子は人それぞれ。自分の皮膚の状態がどのようなときに悪くなるか把握しておき、悪化するような状況をなるべく避けるのがよいといえる。
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