日常生活で悪化因子を避けられず、炎症が再発してしまうこともあるだろう。そんなときは、薬局やドラッグストアで売られているステロイドの塗り薬を使うという手もある。
ただ、ステロイド薬を使うべき病変ではない可能性や、長期間、ステロイド薬を使用することで皮膚の萎縮(いしゅく)やにきびなどの副作用が生じるリスクもある。5~6日間使用しても改善が見られなければ、皮膚科を受診したほうがいいという。
皮膚の状態、自己判断は難しい
「アトピー性皮膚炎と長く付き合っている人でも、自分で皮膚の状態を把握するのは難しいので、皮膚科医の目で判断したほうがよいこともあります。ひどい炎症があるにもかかわらず、その状態に慣れてしまっている患者さんもいます」
ケアがしっかりできていても、季節の変わり目やストレス、寝不足で炎症が再発することがある。そのときは放置せず皮膚科を受診しよう。
「最近はステロイドでない抗炎症作用のある塗り薬も出てきています。炎症やかゆみがあったら抗炎症薬を使い、よくなったら保湿剤によるスキンケアを継続する。それが乾燥皮膚との賢い付き合い方です」と菊地さんはアドバイスする。
(取材・文/佐賀 健)
仙台たいはく皮膚科クリニック院長
菊地克子医師
1989年、東北大学医学部卒。同大学皮膚科学教室に入局。1994年から1997年までアメリカに留学し、皮膚の研究に従事する。帰国後、東北大学病院皮膚科講師を経て、2019年、仙台たいはく皮膚科クリニック院長に就任。大学病院、基幹病院と連携しつつ、仙台市およびその近郊住民の皮膚トラブルの診療に当たっている。
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