【アトピー肌】炎症改善後ケア、保湿剤の適量は? アトピー性患者の皮膚はなぜカサカサかも解説

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アトピー性皮膚炎が改善したときのスキンケアなどについてご紹介します(写真:buritora/PIXTA)
アトピー性乾燥皮膚、またはアトピックドライスキン――。アトピー性皮膚炎の人がもともと持っている乾燥肌のことだ。皮膚の炎症が治まった後も、健康な人とは違って乾燥肌が残る。保湿などの適切なケアをしないと、治まったはずの炎症が再発したり、新たな刺激に反応してかゆみが生じたりして、悪循環に陥る恐れがある。
東北大学で皮膚の保湿機能を研究してきた仙台たいはく皮膚科クリニック院長の菊地克子さんに対処法を聞いた。

普段あまり意識しないかもしれないが、皮膚の働きってなんだろう。

「重要な役割の1つはバリア機能で、外界からの刺激や異物の侵入を防ぐとともに、体内から水分が蒸散するのを防いでいます」と菊地さん。皮膚の最も外側にある表皮の「角層(角質層)」と呼ばれる部分が、水分を保持する保湿機能を担っている。

「角層は、細胞同士がレンガのように重なる構造になっていて、角層に含まれる天然保湿因子などによって保湿機能を果たしています。皮膚の表面に分泌されて膜のように覆う皮脂も、保湿に重要です」(菊地さん)

健康な肌と乾燥肌(イラスト:yomogi/PIXTA)

アトピー性皮膚炎の患者の皮膚は、天然保湿因子が作られにくくなるなどして、保湿機能が低下している。そのため、健康な皮膚とは異なり、カサカサして、粉が吹いていたり、触った感じが「すべすべ」ではなかったりする。常に鳥肌が立っているように見えることもある。

乾燥ではなく炎症の可能性も

アトピー性皮膚炎患者が持っているこのような皮膚が、「アトピー性乾燥皮膚(以下、乾燥皮膚)」だ。アトピー性皮膚炎の病変部(皮膚炎)と乾燥皮膚は明確に分けられるものではなく、菊地さんは、「乾燥しているだけに見えても、弱い炎症が続いていることが多い」と指摘する。

乾燥皮膚と深い関係にあるのが、かゆみだ。

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