「英語を読む力」ばかり鍛え続ける日本人の行く末 機械翻訳が進化しても英語学習の意義は高まる

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モチベーションには「外発的動機づけ」と「内発的動機づけ」の2種類があると言われています。試験の点数や順位などの「結果」で褒めるのは、典型的な「外発的動機づけ」です。一方で、心の内側からあふれる興味や関心から行動につなげていくのが「内発的動機づけ」です。

内発的動機づけとうまく組み合わせた英語学習

試験の結果がよければ短期的にはモチベーションの向上につながるかもしれませんが、外発的動機づけだけでは長期的な学習のモチベーションの維持はできません。日本ではどうしても入試のような外発的動機づけが強く働くので、試験が終わった途端にやる気がなくなってしまう人が多いのではないでしょうか。

つまり、英語学習についても、内発的動機づけ=心の内側からあふれる興味や関心をうまく組み合わせていく必要があるのです。

そこでヒントにしたいのが、日本から海外の大学に進学した人たちの英語学習法です。

もちろん、日本から英語の環境に留学する際にも、TOEFLのような4技能の英語力を測るテストを受け、求められる点数をクリアしなければならないという点では外発的動機づけが働きます。ただ、外発的動機づけだけで、海外大学で学ぶことができるレベルの英語力を身につけるのは難しいでしょう。さらに留学はそこからがスタート。留学先では自分がマイノリティーの立場になり、英語「を」学ぶのではなく、英語「で」学ぶ環境に飛び込んでいくわけですから、外発的動機づけだけでは長続きしないでしょう。

『海外の大学に進学した人たちはどう英語を学んだのか』(ポプラ新書)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

書籍内で紹介するのは、日本で生まれ育ち、高校まではインターナショナルスクールではない日本の学校で教育を受け、そこで身につけた英語力で海外の大学に進学した人たちの英語学習法です。

短期の留学ではなく学位の取得を目的とした進学というと、高い学費が支払える裕福な家庭をイメージされるかもしれませんが、今回登場する方たちのほとんどは奨学金を得るなどさまざまな形で、日本の大学に通うのと同等以下、中には負担ゼロで留学を実現している人が何人もいます。

彼らは小さな頃から特別にお金のかかる環境に置かれてきたわけではありません。はたして帰国生ではない彼らがどうやって日本の教育制度の下、海外大学で学べる高いレベルの英語力を身につけ、そしてその英語力は留学先でどのように磨かれていったのか。

次回の記事では、高校まで日本語で日本の教育を受けながらも、高いレベルにまで英語力を伸ばした人たちの「8つの共通点」のうち、2つをご紹介していきたいと思います。

加藤 紀子 教育ジャーナリスト

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かとう のりこ / Noriko Katou

1973年京都市生まれ。1996年東京大学経済学部卒業。国際電信電話(現KDDI)に入社。その後、渡米。帰国後は受験、英語教育、海外大学進学など、教育分野を中心にさまざまなメディアで旺盛な取材、執筆を続けている。2020年6月発売の初著書『子育てベスト100』はAmazon総合ランキング1位を獲得。17万部のベストセラー本となり、韓国、台湾、中国、タイ、ベトナムでも翻訳出版されている。

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