「英語を読む力」ばかり鍛え続ける日本人の行く末 機械翻訳が進化しても英語学習の意義は高まる

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「英語が苦手」と自覚している日本のビジネスパーソンは約7割。経済学者も感じた、英語を学ぶことの「意義」を紹介します(写真:CORA/PIXTA)
多くの日本人が苦手意識を持っている英語。しかし、日本で生まれ育ち、インターナショナルスクールではない日本の学校で教育を受けたにもかかわらず、英語力を身につけて海外の大学に進学する人も中にはいます。
特別にお金のかかる環境に置かれてきたわけではない、帰国生でもない人たちが、高いレベルの英語力を身につけた秘訣とは? 本稿では教育ライター・ジャーナリストの加藤紀子さんの書籍『海外の大学に進学した人たちはどう英語を学んだのか』から一部抜粋・再構成してお届け。「英語を学ぶ意義」についてつづったパートをご紹介します。

何もかも「安すぎる」日本

アメリカのスターバックスでは2022年から従業員の賃金が引き上げられ、その時給は17ドル。2022年の秋に円安が進んだ際の145円というレートで円に換算すると、2500円近くになります。一方、日本のスターバックスの時給は東京で1140円から。地方都市では1000円以下の店も多くあるようです。

アメリカの中でも物価が高いカリフォルニア州では、ファストフード業界で働く約50万人の労働者の労働条件を改善するための新法案に州知事が署名。この法案が成立すれば、最低賃金を15ドルから最大22ドルに引き上げることになり、ファストフード業界の時給が3000円を超えるのです。

こうして見ると、日本はずいぶん貧しい国になってしまったと言わざるをえません。筆者も2022年の夏にアメリカに行きましたが、宿泊費、レンタカー、食費など何もかも「日本は安すぎる」と感じずにはいられませんでした。

平均賃金が2013年には韓国に抜かれ、2021年にはイタリアにも抜かれてついにG7(主要7カ国首脳会議)で最下位になった日本。しかもこれは1ドル=109.8円という為替レートで換算されたデータに基づく順位で、円安が進んだ1ドル=145円で換算しなおすと、ポーランド、エストニア、ラトビア、チェコといった中東欧諸国にも抜かれてしまいます。

小資源国の日本で今後、一層の少子高齢化が進めば、経済成長率を上げるのはますます難しくなるでしょう。日本は海外の人たちが働きに来る国だと思っていたのが、実は今や、日本から海外に働きに行ってひと稼ぎできるのです。

「お給料が少なくても、日本はなんでも安いから何とかやっていけそう」

つい最近までそんな気持ちだった人も、お給料は上がらないのに、物価が上昇して家計への負担が増えてくると、「あれ? これもしかしてヤバいかも」といよいよ危機感を持ち始めているのではないでしょうか。

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