別れた後の「ペット親権問題」養育費はどうなるか 離婚や同棲解消の場合、様々なケースを解説

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Aさんはとても驚きましたが、いつかペットと暮らしたいと思っていたので、家族に迎える覚悟を決めました。猫自体の購入費は、彼がローンを組んで支払い、その後の医療費(毎月の通院費やワクチン代、避妊手術代)、生活費(フードやケージやおもちゃなど)はほぼAさんが支払っていました。

その約1年後に同棲を解消し、Aさんが猫を引き取ることになりました。彼からは引き取るのであれば、購入費である半分の30万円は支払ってほしいと言われ、揉めるのも嫌だったAさんは30万円支払いました。

Aさんも医療費や生活費を負担してたため、これらの費用も彼に半額負担してほしいと思いましたが、彼には言わずに終わらせました。

今回のAさんの場合、購入金額の半額を支払うことで親権を獲得しましたが、そもそもカップルで飼っているペットの親権は、別れた際にどちらのものになるのでしょうか。

離婚したときはどちらが引き取る?

民法上の区分では、ペットは「動産」(不動産以外の物)に含まれます。そのため、結婚後にペットを飼い始めた場合は原則として家財道具と同じように【財産分与の対象】になりますので、夫婦で協議のうえどちらが引き取るかを決めることになります。

もちろん、動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護管理法第2条1項)では、動物は「命あるもの」と定義され、所有者または占有者(=「動物の飼い主」)に対し各種の責任を定め、すべて家財道具と同じ扱いをすることは許されていません。

万が一、交渉がうまくいかず調停・裁判に持ち込まれた場合は、特に下記の項目が最終判断の鍵となってくるでしょう(外部配信先では画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)。

結婚する前にどちらかが飼っていた場合は、財産分与の対象外となるので、離婚後は元の所有者のもとに戻ります。

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