中退が引け目?学生時代の挫折を悔いるな! 元ヤン・引きこもり、中退者教育支援に挑む

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これがきっかけとなり、キズキ共育塾に通う学生の数は大きく増えていくことになりました。設立から4年たった今では、キズキ共育塾に通う学生は100人、講師数も50人を超えるまでになりました。またそれだけでなく、中退が社会問題化していることもあり、10を超える専門学校・大学でも中退予防プログラムを提供するまでになっています。

「やはり、思いだけではなかなかカタチになりません。うまく行かないという結果を素直に認めて、それに対して真摯にPDCA(Plan-Do-Check-Action)を回し続けることです。人のせい、環境のせいにしていたら、キリがありません。全部自分の責任だと認めることが、挑戦をカタチにしていく上でいちばん大事なことだと知りました。」

苦しんでいる人が肯定感を持って生きていけるように

【お知らせ】 マザーハウスでは、本連載のテーマ「挑戦者たちの朝」に合わせてマザーハウスカレッジを行っています。次回は、「青年海外協力隊からマッキンゼー、そしてNPO立ち上げという挑戦。 分野・国境をクロスしたキャリア経験が作り出す、『留職』という新しいムーブメント。」というテーマで、NPO法人クロスフィールズ共同創業者・代表理事、小沼大地さんをお呼びします。詳しくはこちら

そして安田さん自身の挑戦も、東京都新宿区での就労支援や自殺予防の政策作りにかかわったり、ベトナムで障害者雇用を目標とした飲食店経営を始めるなど、どんどん広がってきています。

「やりたいことは、社会的に苦しんでいる人が自己肯定感を持って生きていけるようにすること。僕の強みは、新しい事業を作っていけることなので、どんどん新しいことに挑戦していきたいと思っています」

安田さんの挑戦は、高校時代、そして社会人になったときのリアルな挫折から来ています。人生の挫折はその渦中にいるときは苦しみ以外の何物でもありません。しかしながら、それを乗り越えた先には、今回のNPO法人キズキのように、同じ挫折の境遇にある人に対して可能性となるような挑戦につながるのです。

さらに安田さんの場合、Warm Heartの強さが結果へのこだわりを生み、そしてCool Headに対する意識を高めたと言えます。どんな挑戦もWarm HeartとCool Head、両方があってこそ結果が出るものなのです。 

山崎 大祐 マザーハウス 副社長

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やまざき だいすけ / Daisuke Yamazaki

1980年東京生まれ。高校時代は物理学者を目指していたが、幼少期の記者への夢を捨てられず、1999年、慶応義塾大学総合政策学部に進学。大学在学中にベトナムでストリートチルドレンのドキュメンタリーを撮影したことをきっかけに、途上国の貧困・開発問題に興味を持ち始める。2003年、大学卒業後、 ゴールドマン・サックス証券に入社。エコノミストとして、日本及びアジア経済の分析・調査・研究や各投資家への金融商品の提案を行う。2007年3月、同社を退社。株式会社マザーハウスの経営への参画を決意し、同年7月に副社長に就任。副社長として、マーケティング・生産の両サイドを管理。1年の半分は途上国を中心に海外を飛び回っている。

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