「ターミネーターで悪役が液体窒素で固められて撃たれて、こなごなに飛び散るシーンがあるんです。そんな感じですよ。それくらい自分のすべてが砕けて、一度は絶望の淵まで行きました。それが30歳の時です」
テラモーターズ社長、徳重徹さんの言葉です。テラモーターズは今、メーカー系ベンチャーとしてもっとも注目されている会社と言っても過言ではないでしょう。
設立わずか2年で電動バイク市場で国内トップカンパニーになっただけでなく、設立5年目にして16億円もの資金を集め、ベトナムやフィリピン、インドへの進出を実現するなど、次々とアクションを進めています。
しかし、飛ぶ鳥を落とす勢いでビジネスを拡大している徳重さんも、決して順風満帆にテラモーターズを始めたわけではありません。この挑戦も、大きな挫折があってこそだったのです。
こなごなに砕け散った経験が糧になる
徳重さんが大きな挫折を味わった時の思いが冒頭の言葉です。勤めていた保険会社を辞め、絶対に受かると自信を持って受験したシリコンバレーにあるMBA試験に落ちた時の気持ちを表現したものでした。
「本当にカッコ悪かった。シリコンバレーのMBAに行く、と多くの人に宣言し、会社も辞めたわけですよ。「MBAに受かる」と自信を持っていましたから、落ちた時は周りに会わせる顔もない。そして、絶対にここで学び、仕事をするんだと決めていたシリコンバレーへの道も閉ざされてしまった。この時はさすがに絶望しました。でもそんな挫折の中で悩み、見つけたことは、やっぱりシリコンバレーで働いてみたいということ。絶望の中で見えるものは大事です。半年くらいは辛い時期が続きましたが、そこから何とかサンダーバード国際経営大学院に合格し、アメリカに渡ったのです。そこからシリコンバレーまでは車で往復10時間以上でしたけどね(笑)」
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