最高級スーツテーラー、「職人の再生」へ挑む どん底人生を変えたのは10個目の事業だった

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松井拡運(写真左)●1980年生まれ。神奈川大学卒業後、繊維商社に入社し11カ月で退職、2006年にラフズジャパンを創業。若手美術作家支援を目的に会社を立ち上げるも事業に失敗し、2008年にオーダースーツ事業に転換。2010年よりスーツテーラーショップ「DOT・TAILOR」を立ち上げ。現在では経営者や芸能人、アーティストなど4000人を顧客に持つ、完全紹介制のオーダーメイドスーツサロンに成長。
人生が変わるきっかけはどこにあるかわかりません。人生をかけて挑戦したいことは、自らの手でつかみ取るものだと思っている人も多いと思います。しかし、必ずしもそうとは限りません。苦しい中で藁をもつかむ思いで始めたことが、人生の挑戦を与えてくれることもあるのです。
挑戦者たちの朝」第2回の挑戦者はラフズジャパン代表取締役社長、松井拡運さんです。

 

金策に明け暮れる日々、信じてくれた妻と弟が支え

「『別に私だけのおカネじゃなくて、二人のおカネよ。私もいつどうなるかわからないから、その時助けてくれれば大丈夫』と妻から言われました。初めて妻の前で泣いて、彼女を絶対幸せにすると決めました」

2008年に立ち上げた事業がうまく行かず借金に追われ生活が苦しい中で、奥様から言われたこの言葉には、松井さんの思いがこもっていました。

松井さんは大学卒業後入社した繊維商社で、営業として著しい実績を残しながらも11カ月で退職。そして、若手アーティストを支援する会社を立ち上げるも、まったくうまくいきませんでした。そんな松井さんを支えてくれたのは、事業が苦しい状況でも松井さんを鼓舞し、自らもカメラマンとして活躍し生活を支えてくれた、妻の存在でした。一方、自分が起業した会社は、最悪の状況にありました。

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