突然のガン告知、でも彼女はあきらめなかった 2人に1人がガンになる時代をどう受け止めるか

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「ガン」という逆境を乗り越え、その先へ挑戦した女性とは?(写真 : msv / PIXTA)

人生とは「挑戦」の連続です。新しい挑戦が、新しいキャリア、新しい自分、そして新しい人生の可能性を切り開いていきます。この連載では、そんな挑戦の背中を押してくれるような人たちを紹介していきます。今回の挑戦は、突然のガン告知という逆境から生まれた挑戦。逆境を受け入れた先にあった自らの存在価値を、挑戦に変えていった人のお話です。

順調に重ねていったキャリアが、ある日真っ白に。

「今は、2人に1人がガンになる時代。そして病床数も足りないから、通院で治すのが一般的です。普通に社会の中に病気がある時代なのです。病気になった時に何が変わるか。いちばん大きいのが仕事。そこで、病気を経験したということを生かしながら働くことができる機会を増やしたい。病気という逆境を経験したら必ず学びがあるはずなのです。そこで、この会社を始めたのです」

今回、ご紹介する方は、キャンサーソリューソンズ社長、桜井なおみさん。ガン経験者の方々への就労支援やメンタル支援、医療機関の患者さんとのコミュニケーションのコンサルティングなど、ガンになった人が生きやすい社会をつくるために日々奔走しています。そのようなことを始めることになった挑戦の原点は、自らの突然のガン罹患経験からです。

「最初、症状はまったくありませんでした。普通に定期検診を受けてみたら、要精密検査という結果が出た。でも、健康に自信があったので、まぁ大丈夫だろうと信じてもいませんでした。1カ月半くらいの間にあれこれ検査をして、最終的には進行性の乳ガンだと正式な告知がありました。本当は言われた瞬間に、ガーンって言おうと思ったんですけど、いざ言われると言えないですね(笑)。聞いたときは頭が真っ白になりました」

この記事を読まれている方は、自らの健康を疑わず、仕事に精進している方が多いと思います。しかし、仕事が最高に充実している中で、もし突然、ガンと宣告されたらどうでしょうか。桜井さんも当時、建築事務所で都市計画の仕事に従事し、部下もいるチーフマネージャーとして、30代の最も仕事が充実している時期を過ごしていました。その中で突然、進行の早い乳ガンにかかっていることを告知されたのです。

次ページ手術は成功、会社に復帰するも…。
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