前々回は 「現代版姥捨山」から老母を救出するには?
【読者からの相談】
史郎さんは家業を継ぐべく歯学部を目指し、国立大学で単位も全部履修されたのですね。とても優秀で、家族の期待も一身に背負ってこられたのに、あと一歩のところで断念されたのですね。家業が歯科医院でなくとも親としては受け入れ難いことですが、家業ともなると、この息子さんの勉学の途中放棄は、なかなか受け入れられないのが親心と、お察し申し上げます。
一方的なメッセージではなかったか
卒業試験の一歩手前で史郎さんに何が起きたのか、または何があったかは、ご相談文を拝読するかぎり、山本様も把握しておられないのですね。“4年間も、熱心に勉強しているふうでもなく受験しているふうでもない彼に仕送りを続けられた”という点に、失礼ながら少し違和感を感じました。彼の心境の変化や言い分などはあなたには聞く気もなく、ともかく勉強して卒業し、資格試験を受けなさいという、親の一方的なメッセージのみが、伝わってきます。
史郎さんはある日突然、あるいは何かの理由で歯科医への情熱がなくなったのですね。あるいは勉強そのものに、一時的なスランプがあったのかもしれません。そのほかの考えられる理由も含めてそれは到底、親には理解してもらえないことは、誰よりも彼がわかっていることでした。それで彼は、親には受験しない理由を言い出せずに、この日まで来ました。
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