WBC山本由伸「異色の投手」が大成長した驚く秘密 「甲子園未出場、ドラフト4位」から史上初の快挙

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自分の中に「芯」や「軸」ができれば、視野を広げることもできる。たとえ雑音が耳に入っても揺るぎにくくなり、思わぬヒントに出合えることもあるからだ。

「世界に類を見ないピッチャー」を目指す

人の成長にとって大事なのは「傾聴力」と「選択力」だ。山本が続ける。

「自分を否定してくるからといって、ダメなことばかり言われるわけでもないですしね。

たまに僕に対してすごく否定してくる人の中にも、『これ、めっちゃいいこと言っている』とか、『あっ、じつは矢田先生と一緒のことを言っているな』って感じることもあります。

人が言ってくること全部を否定して聞くのは良くないし、信じすぎるのも良くないと思うので。やっぱり聞くことは大事だし、それを自分でしっかり見極めないといけない。見極める基準がしっかり決まっていれば、いい方向に行くかなと思います」

ドラフト4位で入団した山本が日本のトップまで躍り出た要因には、強い信念がある。

「世界に類を見ないピッチャー」を目指す彼は、日本代表が今回のWBCで準々決勝を勝ち抜けばアメリカ代表との対戦が予想される準決勝、あるいは決勝のマウンドに立つだろう。果たしてメジャーリーグのスーパースターたちを相手に、日本最高投手はどんなピッチングを見せるのか。

我が道を行く右腕投手に今、世界から熱視線が注がれている。

(写真:山本由伸公式Instagramアカウント@yoshinobu__yamamotoより)
中島 大輔 スポーツライター

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なかじま だいすけ / Daisuke Nakajima

1979年埼玉県生まれ。上智大学在学中からスポーツライター、編集者として活動。2005年夏、セルティックに移籍した中村俊輔を追い掛けてスコットランドに渡り、4年間密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に野球界の根深い構造問題を描いた「野球消滅」。「中南米野球はなぜ強いのか」(亜紀書房)で第28回ミズノスポーツライター賞の優秀賞。NewsPicksのスポーツ記事を担当。文春野球で西武の監督代行を務める。

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