自分の中に「芯」や「軸」ができれば、視野を広げることもできる。たとえ雑音が耳に入っても揺るぎにくくなり、思わぬヒントに出合えることもあるからだ。
「世界に類を見ないピッチャー」を目指す
人の成長にとって大事なのは「傾聴力」と「選択力」だ。山本が続ける。
「自分を否定してくるからといって、ダメなことばかり言われるわけでもないですしね。
たまに僕に対してすごく否定してくる人の中にも、『これ、めっちゃいいこと言っている』とか、『あっ、じつは矢田先生と一緒のことを言っているな』って感じることもあります。
人が言ってくること全部を否定して聞くのは良くないし、信じすぎるのも良くないと思うので。やっぱり聞くことは大事だし、それを自分でしっかり見極めないといけない。見極める基準がしっかり決まっていれば、いい方向に行くかなと思います」
ドラフト4位で入団した山本が日本のトップまで躍り出た要因には、強い信念がある。
「世界に類を見ないピッチャー」を目指す彼は、日本代表が今回のWBCで準々決勝を勝ち抜けばアメリカ代表との対戦が予想される準決勝、あるいは決勝のマウンドに立つだろう。果たしてメジャーリーグのスーパースターたちを相手に、日本最高投手はどんなピッチングを見せるのか。
我が道を行く右腕投手に今、世界から熱視線が注がれている。
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