「2年目にフォームが変わって、(春季キャンプ中の)2月なんて周りにすごく言われました。筒香(嘉智/レンジャーズ傘下)さんはやっていますけど、たぶんプロ野球のピッチャーがやったことがあるトレーニングではないので。例えば、やり投げのトレーニングもすごく反対されましたし。
2020年のシーズンにケガしたときも、『ウエイトトレーニングが足りていないからだ』と言われました。2021年シーズンが開幕した頃に調子が悪かったのも、ウエイトトレーニングをやっていないからだと言われたりして。
でも結局、シーズンを終えたときにいい成績が出たら、『あいつは何をやっていても活躍しているから』と言われたりもします。そういうなかでもできたのは、矢田先生のトレーニングを毎日積んで、アドバイスをいただけたからだと思います」
周囲の猛反対を押しのけて我が道を進むには、自分はこれでやっていくという「芯」になるものが不可欠だ。山本はBCエクササイズで「軸」ができ、地道な努力を重ねて球界トップまで登り詰めた。
人のマネをするときに「大切なこと」
2021年から史上初の2年連続投手四冠(最多勝、最優秀防御率、最高勝率、最多奪三振)、さらに同年から2年続けてMVP&沢村賞に輝くなど“無双”する山本に憧れ、独特な投げ方をマネする野球少年・少女が全国に数多くいる。
彼らに対するアドバイスを求めると、山本の真髄に触れるような答えが返ってきた。
「僕も高校生のとき、人のマネをして良くなったこともあります。もちろん、マネをするのはすごくいいことだと思います。
でも、例えば自分がマネしている選手はなんでこういう足の上げ方をしているのかとか、もっと奥に本当の理由があると思います。そこを理解できたときに、本当に良くなるのかなと思いますね」
人にはそれぞれ身体的な特徴があり、他人の「形」をマネするだけでは良くならない。
なぜ、そうした投球フォームに至ったかを掘り下げることで、自身の身になっていくわけだ。
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