「地域のおばあちゃん」参画で学校は変わる! 学校と地域が歩み寄るこれだけのメリット

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「花まる学習会」の高濱正伸氏
 2015年4月、佐賀県武雄市で「官民一体校」がスタートする。今、最も勢いのある私塾「花まる学習会」のメソッドを公立小学校に取り入れるこの取り組みは、一体どんなものなのか? そもそも、今の公立にはどんな課題があるのか?前回記事に続き、同会代表の高濱正伸氏に聞きます。
※前々回記事:花まる学習会」は、公教育をどう変えるのか?
※前回記事:日本の公立を「結果責任制」で変えよ!

 なぜ教師と親はわかりあえないのか?

前回記事で、学校が保護者との信頼関係を築くことが何より重要というお話がありました。実際、そうした関係を作るために、必要なことはありますか?

なによりも保護者、特にお母さん方が置かれている状況に、先生が寄り添うことですね。本にも書きましたけれど、特に男の先生は保護者から何か相談されると、「じゃ、こうするのはどうですか」みたいな答えをすぐ言ってしまうのですが、母心としてはそうじゃない。「いや、答えを聞きたいわけじゃないのよ。ただ、この心配をわかってほしい」ということなのです。

それがわからないものだから、先生側は「この親御さんは、何回も繰り返し繰り返し、同じ話ばかり……」という受け止め方になってしまうわけです。

先生は保護者に対して「私はあなたのことをわかりたいのです!」という気持ちを、しっかりと示しておくことが必要です。そうすれば、お母さんたちは絶対に、応援してくれるのです。

そういう気持ちがないまま、「変なこと言ってこないでよね」というスタンスで線を引いているから、保護者はカチーン!ときてしまうのです。

すごくわかります。先生たち、ものすごく防御の姿勢ですよね。こちら(保護者)が協力したいと思っても、壁が厚すぎて、どこから近付けばいいかわからないくらいです。どうして、そうなっちゃうのでしょうか?

「最初からこういうものだと教わっているし、先輩もそうやっているから」という認識があるから、問題意識を持ちようがないのかもしれません。

学校外の人からみたら「それはおかしいよ」ということでも、学校の中では文化として出来上がっていることがありますね。

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