「地域のおばあちゃん」参画で学校は変わる! 学校と地域が歩み寄るこれだけのメリット

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先生たちが自ら「プラスアルファ」の工夫をバンバン加えてくるのです。「要するに、花まるのポイントはここですよね。じゃ、こういうこともできるんじゃないですか」ということをがんがん提案してきて、それがまた、どれもいい内容なのです。

だからモジュール(15分ほどの短い時間に区切って行う学習)なども、ものすごく活気のあるものになっています。あれはおそらく、そのうち有名になると思いますよ。

小さな村の学校が、本気になって変わった!

小さな村だから、存続もかかっていたんですよね。村って、学校がなくなったら消えてしまいますから。だから、本当に必死で教育から変えようと頑張っていました。

過去、「ふるさと創生資金」というのがありましたが、あの1億円を「うち(北相木村)は教育のためだけに使う」と決めて、いまだにちゃんとストックがあります。たとえば「五島列島の子どもとの交流体験」とか、そういうことに使っているのです。長野県には、そういう頑張り精神の村がいくつもあるんですよ。

ちなみに、うちが公立で最初にかかわったのは、長野県の青木村というところでした。9年前ですね。そのときの教育長さんが偉大な人物で、「俺が(君たちを)全部守る!」みたいな形で門を開いて、われわれに授業をやらせてくれたのです。

その学校が本当に、すごく伸びたんですよ。上田高校の入学者数もぐんと増えたし……と言ってしまうと、「やっぱり塾って受験だよね」と言われてしまうのですが(苦笑)。それでも、やはりそれなりに有効な指標だと思います。僕にはそういった北相木村や青木村での経験があるので、「先生が変われば絶対いける、学校は変わる」という確信があるのです。

武雄市の先生たちはいかがですか?

実は私が最初に行ったときは、先生方の中にはまだ、決して協力的とは言いがたい雰囲気も残っていました。でも、北相木村の先生方が、わざわざ(武雄に)説明しに行ってくれたのです。そうしたら、すごく動いてくれました。「教員たちにとっても、いいことなのだ」ということが見えたのですね。それは大きかったです。

いよいよ4月からスタートするわけですが、高濱さんも武雄によく行かれるのですか?

僕が行くのは月1回くらいですかね。2校でスタートするので、常駐で2人、うちの社員を派遣する形です。先日、その2人の見送り会をやったところです。

いきなり全部のことを完璧にスタートとはいきませんが、これから少しずつ、いろんなことをやっていきたいと思っていますので、どうぞ、楽しみに見ていてください。

大塚 玲子 ノンフィクションライター

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おおつか れいこ / Reiko Otsuka

主なテーマは「いろんな形の家族」と「PTA(学校と保護者)」。著書は当連載「おとなたちには、わからない。」を元にまとめた『ルポ 定形外家族』(SB新書)のほか、『PTAでもPTAでなくてもいいんだけど、保護者と学校がこれから何をしたらいいか考えた』(教育開発研究所)『さよなら、理不尽PTA!』(辰巳出版)『オトナ婚です、わたしたち』(太郎次郎社エディタス)『PTAをけっこうラクにたのしくする本』(同)など。テレビ、ラジオ出演、講演多数。HP

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