「地域のおばあちゃん」参画で学校は変わる! 学校と地域が歩み寄るこれだけのメリット
――とても独特な文化に見えます。
いろんな面でそれはありますね。時間の使い方についても、そうです。
たとえば台形の面積の求め方を教えるのに、1時間使ってみんなでダンボールを切って、「さあグループごとに考えよう」なんてやることがありますけれど、そこは先生が3分で切って「こうなるよ」でいいわけです。そこが本題ではないわけですから。
今の半分以下の時間で、同じ学力をつけられる
経営的な視点で見ると、時間ほど管理しなければいけないものはないのに、学校の中にはそういう概念があまりありません。
「年間の時間数が足りなくなる」とか、そういうことはよく言うのですけれどね。
僕は本当は今の半分以下の時間で、同じ学力をつけられると思うのです。あとは外遊びをしたほうが、子どもはむしろ伸びます。議論をしたりとか、“人間関係のかかわり”にいっぱい時間を使ったほうがいいと思います。
――話がちょっと変わりますが、先生が忙しすぎて、一人ひとりの子どもの学習をフォローしきれていないという話もご本にありました。この点は、どうすればよいとお考えですか?
これは先生が悪いのではなく、仕組みの問題ですよね。公立の学校の中だけで全部やるのは、実際のところ難しいです。特に高学年になってくると、学力にすごく差がついてきますから。だからそこは、学校の先生だけでなく「地域のリソース」を使ってやるといいのです。武雄市ではそれをすでにやっていますよ。「官民一体」というのは、まさにその部分でもあるのですが。
たとえば、「3ケタ+3ケタ」の計算がわからない子どもたちに、地域のおじいちゃんやおばあちゃんが、ゆっくりと丁寧に教えてあげる。今のおじいちゃんおばあちゃんたちは、子どもたちのために、いろいろやりたいと思っている人がいっぱいいますからね。そういう方たちの協力を得る形で、フォローしていけばいいと思います。
1対1でついてもらうと、子どもって絶対にその人を好きになりますしね。「かかわってくれる人が確実にいる」という“居場所感”を持てることも、すごく大事です。
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